第18回 言語聴覚士国家試験 第87問
吃音第18回
発達性吃音について誤っているのはどれか。
- 1.音読で適応効果がみられる。
- 2.幼児では構音障害の合併率が高い。
- 3.女児の方が自然治癒率が高い。
- 4.発症率と有症率とが同程度である。 ✓
- 5.状況や場面によって症状が変動する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 発症率と有症率とが同程度である。
発症率(lifetime prevalence)と有症率(point prevalence)は大きく異なります。発達性吃音の発症率は約5~8%ですが、有症率(現在吃音がある者の割合)は約1%であり、発症した者の約70~80%が自然治癒することから、両者は同程度ではなく発症率の方が有症率より圧倒的に高いです。この高い自然治癒率は発達性吃音の特徴的な特性です。
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【各選択肢の解説】
1. 音読で適応効果がみられる。
✅ 正しい。吃音者は音読や朗読時に症状が軽減する「適応効果」が認められます。これは黙読や会話での吃音より音読で流暢性が向上する現象です。
2. 幼児では構音障害の合併率が高い。
✅ 正しい。発達性吃音の発症年齢は2~5歳が中心ですが、この時期は構音発達途上の時期と重複するため、吃音児に構音障害の合併率は健常児より高いとされています。
3. 女児の方が自然治癒率が高い。
✅ 正しい。発達性吃音の自然治癒率は全体で約70~80%ですが、男児より女児の方が自然治癒率が高く、逆に男児では持続率(成人まで続く率)が高いという性差が報告されています。
4. 発症率と有症率とが同程度である。
❌ 誤り。発症率(これまでに吃音を経験した者の比率)は約5~8%、有症率(現在吃音がある者の比率)は約1%であり、発症率が有症率を大きく上回ります。高い自然治癒率がこの乖離を生みます。
5. 状況や場面によって症状が変動する。
✅ 正しい。吃音は状況依存性が強く、緊張場面では悪化、リラックス時や一人での発話では軽減します。また朗読・歌唱・読経などでも軽減する特性があります。
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【試験対策ポイント】
発症率 vs 有症率(発達性吃音)
| | 発症率 | 有症率 |
|---|---|---|
| 値 | 約5~8% | 約1% |
| 意味 | 発症経験者の比率 | 現在症状がある者の比率 |
| 関係 | 自然治癒率70~80%により低下 |
発達性吃音の性差
- 発症率:男児女児で同程度
- 自然治癒率:女児 > 男児
- 持続率(成人まで続く):男児 > 女児
→結果として成人吃音者は男性が大多数
吃音の適応効果(症状軽減場面)
- 音読・朗読
- 歌唱
- 読経・詞唱
- 一人での発話
- リラックス時
※会話場面や読み上げでは症状が顕在化
重要な病歴知識
- 発症年齢:2~5歳(典型的)
- 同時期の合併症:構音障害(発達途上)
- 状況依存性が強い(診断の判断基準)