第18回 言語聴覚士国家試験 第89問
聴覚系第18回
乳児の外耳について正しいのはどれか。
- 1.外耳道はほとんどが骨部から成る。
- 2.外耳道の長さは15~20mm程度である。 ✓
- 3.耳甲介腔の大きさは成人と同等である。
- 4.裸耳利得のピークは成人より低周波数にある。
- 5.鼓膜は月齢が小さいほど外耳道に垂直である。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 外耳道の長さは15~20mm程度である。
乳児の外耳道は成人(25~30mm)より著しく短く、15~20mm程度です。外耳道は主に軟骨部で構成されており、発達に伴い骨部が延長して成人の長さに達します。この外耳道長の違いが、乳児と成人の共鳴特性に大きく影響します。
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【各選択肢の解説】
1. 外耳道はほとんどが骨部から成る。
❌ 誤り。乳児の外耳道は「軟骨部が大部分」を占めます。成人では外耳道の前方2/3が骨部、後方1/3が軟骨部ですが、乳児では軟骨部の比率がはるかに大きく、骨部はまだ発達途上です。
2. 外耳道の長さは15~20mm程度である。
✅ 正しい。乳児の外耳道長は15~20mm程度で、成人の25~30mmと比べて著しく短いです。この長さの差は、乳児と成人の外耳の共鳴周波数の違い(乳児は高周波寄り)を生じさせます。
3. 耳甲介腔の大きさは成人と同等である。
❌ 誤り。乳児の耳甲介腔は成人より「小さく」、発達に伴い拡大します。外耳の全体的なサイズは月齢とともに増大し、これが音響インピーダンスの変化につながります。
4. 裸耳利得のピークは成人より低周波数にある。
❌ 誤り。乳児の外耳道が短いため、裸耳利得(外耳の共鳴による増幅)のピーク周波数は「成人より高周波数」にシフトします。共鳴周波数は管の長さに反比例するため、短い乳児では高周波側にピークが移動します。
5. 鼓膜は月齢が小さいほど外耳道に垂直である。
❌ 誤り。乳児の鼓膜は「より水平に近い」角度にあり、月齢が増加して成人に近づくにつれて次第に「垂直に近く」なります。鼓膜の傾斜角も発達的変化の一つです。
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【試験対策ポイント】
乳児と成人の外耳形態比較表
| 項目 | 乳児 | 成人 |
|---|---|---|
| 外耳道長 | 15~20mm | 25~30mm |
| 軟骨部の比率 | 大部分 | 後方1/3 |
| 骨部の比率 | 小さい | 前方2/3 |
| 耳甲介腔 | 小さい | 大きい |
| 鼓膜角度 | ほぼ水平 | より垂直 |
| 裸耳利得ピーク | 高周波側(4kHz以上) | 低周波側(2~3kHz) |
頻出キーワード:「外耳道短化→共鳴周波数シフト」「軟骨部優位→骨部発達過程」「鼓膜傾斜角の加齢変化」