第19回 言語聴覚士国家試験 第10問
精神医学第19回
統合失調症に特徴的な思路(思考過程)の障害はどれか。
a.連合弛緩
b.迂 遠
c.保 続
d.制 止
e.途 絶
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(連合弛緩と途絶)
統合失調症に特徴的な思路の障害は、「連合弛緩」と「途絶」です。連合弛緩は複数の思考が一貫性なく唐突に次々と現れる現象で、統合失調症の思考障害を象徴する特徴です。途絶は思考が突然途中で止まってしまう現象で、統合失調症患者から頻繁に報告されます。
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【各選択肢の解説】
a. 連合弛緩
✅ 正しい。統合失調症に最も特徴的な思路の障害。複数の思考が論理的関連性なく次々と出現し、聞き手には理解困難な"言語化"となる。思考の流れが完全に解体されている状態。
b. 迂遠(うえん)
❌ 誤り。目標に達するまでに回りくどい説明や無関係な細部に時間をかけてしまう現象。これは強迫神経症や強迫症の特徴的な思路の障害であり、統合失調症の特徴ではない。最終的には論理構造が保たれている点が連合弛緩と異なる。
c. 保続(ほぞく)
❌ 誤り。一度出現した思考や言語が反復的に繰り返される現象。これは脳器質性疾患(脳梗塞・痴呆など)や器質性精神障害の特徴であり、統合失調症の典型的な思路障害ではない。
d. 制止(せいし)
❌ 誤り。思考が意志的に抑制される現象で、本来は正常な精神活動(例:礼儀上の配慮)。鬱病では自発性低下により相対的に制止が目立つことはあるが、統合失調症の特徴的思路障害ではない。
e. 途絶(とぜつ)
✅ 正しい。思考が突然途中で中断し、患者自身も「考えが消えた」「頭が空になった」と訴える現象。統合失調症患者が頻繁に体験する特徴的な症状。思考奪取(thought withdrawal)と呼ばれることもある。
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【試験対策ポイント】
統合失調症と他の精神疾患の思路障害の区別
| 現象 | 定義 | 特徴的な疾患 |
|---|---|---|
| 連合弛緩 | 論理的関連性のない思考が次々出現 | **統合失調症**(最典型) |
| 途絶 | 思考が突然中断・消失 | **統合失調症** |
| 迂遠 | 回りくどく細部に時間をかける | 強迫神経症・強迫症 |
| 保続 | 思考の反復的繰り返し | 脳器質性疾患・痴呆 |
| 加速 | 思考のスピードが加速 | 躁病・躁状態 |
| 遅延 | 思考のスピードが低下 | 鬱病・鬱状態 |
| 制止 | 思考が抑制される | 正常範囲の行動制御 |
必修キーワード
- 「連合弛緩は統合失調症の王様」:最も代表的で診断的価値が高い
- 「途絶は患者の自覚症状」:思考奪取と同義で、統合失調症に極めて特徴的
- 迂遠・保続は統合失調症ではなく、強迫症と器質性疾患の特徴
- 制止は正常な抑制機能(異常ではない基線状態)