第19回 言語聴覚士国家試験 第100問
補聴器・人工内耳第19回
人工内耳の仕組みで正しいのはどれか。
- 1.体内器は定期的に電池交換を行う。
- 2.入力された音の音声情報処理は体内器で行う。
- 3.一つのチャンネルは純音情報を担当している。
- 4.一般には電極の先端で低い音を伝える。 ✓
- 5.体外器から体内器への信号伝達は外耳道内に留置したケーブルで行う。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 一般には電極の先端で低い音を伝える。
人工内耳の電極は蝸牛内に配置されており、蝸牛の周波数分析の解剖学的原理(トノトピー)に従って配置されています。電極の先端は蝸牛頂部に位置し、低周波音を担当します。これは蝸牛内での周波数の空間分布に基づいており、人工内耳の設計でも同じ原理が適用されています。
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【各選択肢の解説】
1. 体内器は定期的に電池交換を行う。
❌ 誤り。体内器は体内に埋込まれ、バッテリーレスで設計されています。電力は体外器から磁気誘導により無線で送信されるため、電池交換の必要がありません。メンテナンスは体外器のみで対応します。
2. 入力された音の音声情報処理は体内器で行う。
❌ 誤り。音声処理(符号化・周波数分析・信号変換など)はすべて「体外器」(音声プロセッサ)で行われます。体内器は受け取った信号に基づいて単に電気刺激を生成する役割に限定されています。
3. 一つのチャンネルは純音情報を担当している。
❌ 誤り。一つのチャンネル(電極)は特定の周波数帯域を担当するもので、「純音情報」という概念ではなく、周波数帯域に基づいています。例えば、22チャンネルの場合、各チャンネルが異なる周波数範囲に対応します。
4. 一般には電極の先端で低い音を伝える。
✅ 正しい。蝸牛のトノトピーに基づき、電極が蝸牛頂部(先端)に位置する箇所で低周波音(低音)が伝えられます。基部に近い電極は高周波音(高音)を担当します。
5. 体外器から体内器への信号伝達は外耳道内に留置したケーブルで行う。
❌ 誤り。体外器と体内器間の信号伝達は「経皮的な磁気誘導(無線)」により行われます。外耳道にケーブルを留置することはなく、皮膚を通した非接触型の信号伝達が特徴です。
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【試験対策ポイント】
人工内耳の基本構成:
| 部位 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 体外器(音声プロセッサ) | 音声処理・信号生成・電力供給 | 電池式・定期交換必要 |
| 体内器(受信機・電極) | 信号受信・電気刺激生成 | バッテリーレス・埋込み型 |
蝸牛のトノトピー:
- 蝸牛基部:高周波(高音)
- 蝸牛頂部:低周波(低音)
→ 人工内耳の電極配置もこれに準じる
信号伝達方式:
- 外耳道にケーブルは使用しない
- 磁気誘導による経皮的無線伝達
- 定期的な充電により体外器を駆動
紛らわしい知識の区別:
- 補聴器:音声処理は体外器で行う(人工内耳と同じ)
- 人工内耳:電気刺激により直接聴神経を刺激する点が補聴器と異なる