第19回 言語聴覚士国家試験 第102問
心理測定法第19回
誤っているのはどれか。
- 1.前向き研究は調査開始時点から追跡調査する。
- 2.後向き研究では対象者の過去の現象を調査する。
- 3.無作為化比較試験は前向き研究である。
- 4.コホート研究はある集団を追跡する研究である。
- 5.ケースコントロール研究はまれな疾患のみを対象とする。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — ケースコントロール研究はまれな疾患のみを対象とする。
ケースコントロール研究は「まれな疾患に適している」というのが正しい表現です。ただし「のみ」という制限はなく、まれではない疾患も対象にできます。また、ケースコントロール研究は「後向き研究」の代表例であり、疾患の有無によってグループを分けた後に、過去の原因因子への曝露履歴を遡って調査する点が特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 前向き研究は調査開始時点から追跡調査する。
✅ 正しい。前向き研究(prospective study)は現在から未来に向けて追跡する研究で、コホート研究や無作為化比較試験が該当します。調査開始時に曝露状況や特性を把握し、その後の転帰を追跡するのが特徴です。
2. 後向き研究では対象者の過去の現象を調査する。
✅ 正しい。後向き研究(retrospective study)は研究開始時点より過去に遡って、既に起こった現象や記録(医療記録、患者の回想など)から情報を収集します。ケースコントロール研究がその典型です。
3. 無作為化比較試験は前向き研究である。
✅ 正しい。無作為化比較試験(RCT)は対象者を無作為にグループに割り当て、現在から未来に向けて介入効果を追跡する前向き研究です。エビデンスレベルが最も高いとされています。
4. コホート研究はある集団を追跡する研究である。
✅ 正しい。コホート研究(cohort study)は特定の特性(例:喫煙者)を持つ集団を時間経過に沿って追跡し、転帰(疾患発症など)の発生状況を観察する前向き研究です。
5. ケースコントロール研究はまれな疾患のみを対象とする。
❌ 誤り。ケースコントロール研究は「まれな疾患に適した研究方法」ですが、「のみ」という制限はありません。一般的な疾患も対象にできます。むしろ「効率性」の観点でまれな疾患に向いているだけです。後向き研究であり、疾患ありのケースと疾患なしのコントロールを比較して、過去の原因因子への曝露を調査します。
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【試験対策ポイント】
【研究デザイン比較表】
| 項目 | コホート研究 | ケースコントロール研究 | RCT |
|---|---|---|---|
| 研究の方向 | 前向き | 後向き | 前向き |
| 開始地点 | 原因から開始 | 結果(疾患)から開始 | 介入から開始 |
| 対象選定 | 曝露の有無で群分け | 疾患の有無で群分け | 無作為割り当て |
| 適した対象 | 比較的まれでない疾患 | **まれな疾患に効率的** | 介入効果検証 |
| 追跡 | 必須 | 不要(遡及調査) | 必須 |
| 相対危険度 | 計算可能 | 計算不可(オッズ比のみ) | 計算可能 |
【キーワード整理】
- 前向き研究:現在→未来(コホート、RCT)
- 後向き研究:過去を遡及調査(ケースコントロール)
- ケースコントロール研究の利点:疾患が稀でも調査可能、短期間・低コスト、効率的