第19回 言語聴覚士国家試験 第104問
臨床神経学第19回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.糖尿病性ニューロパチー ― 腱反射低下
- 2.ALS ― 筋萎縮
- 3.ギラン・バレー症候群 ― 脱 髄
- 4.パーキンソン病 ― 失 調 ✓
- 5.デュシェンヌ型筋ジストロフィー ― 仮性肥大
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — パーキンソン病 ― 失 調
パーキンソン病の主要な神経病理学的変化は黒質ドパミン神経の変性・脱落であり、基本的な運動症状は「振戦・筋強剛・寡動」です。失調は小脳障害の特徴であり、パーキンソン病には該当しません。
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【各選択肢の解説】
1. 糖尿病性ニューロパチー ― 腱反射低下
✅ 正しい。末梢神経障害により末梢神経の伝導速度が低下し、特に下肢の腱反射が減弱または消失します。これは糖尿病性ニューロパチーの代表的な所見です。
2. ALS ― 筋萎縮
✅ 正しい。ALSは上位および下位運動ニューロン両者の進行性変性疾患であり、神経支配を失った筋の著明な萎縮が主要症状です。特に手の小筋からの萎縮が典型的です。
3. ギラン・バレー症候群 ― 脱 髄
✅ 正しい。ギラン・バレー症候群は急性炎症性脱髄性多発神経炎(AIDP)が典型で、末梢神経の脱髄病変が特徴です。神経伝導速度の著しい低下や伝導ブロックが見られます。
4. パーキンソン病 ― 失 調
❌ 誤り。パーキンソン病の特徴は黒質ドパミンニューロン変性に伴う「振戦・筋強剛・寡動(無動)」であり、失調は症状ではありません。失調は小脳障害(脊髄小脳変性症など)の特徴です。
5. デュシェンヌ型筋ジストロフィー ― 仮性肥大
✅ 正しい。ジストロフィンの欠損により筋線維の変性壊死が起こり、脂肪組織や結合組織が浸潤して筋が肥大したように見える仮性肥大が特徴的に認められます。特にふくらはぎに顕著です。
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【試験対策ポイント】
パーキンソン病の症状:
- 4大症状:静止時振戦・筋強剛・寡動・姿勢反射障害
- 小脳機能は保持されているため「失調」は起こらない
失調を示す疾患(ST試験出題頻度高):
- 脊髄小脳変性症(SCA)
- 多系統萎縮症(MSA-C型)
- 小脳梗塞・出血
- アルコール性脳障害
失調の神経学的所見:
- 測定異常(dysdiadochokinesia)
- 意図振戦
- 眼振
- 歩行失調(広げ脚歩行)
重要な組み合わせ判別:
| 疾患 | 主要病理 | 特徴的症状 |
|---|---|---|
| パーキンソン病 | 黒質ドパミン神経変性 | 振戦・筋強剛・寡動 |
| 小脳疾患 | 小脳変性・萎縮 | 失調・眼振 |
| ALS | 上下位運動ニューロン変性 | 筋萎縮・線維束攣縮 |
| 末梢神経障害 | 軸索障害・脱髄 | 腱反射低下・感覚鈍麻 |