第19回 言語聴覚士国家試験 第107問
病理学第19回
小児脳腫瘍で正しいのはどれか。
- 1.肺に転移しやすい。
- 2.髄膜腫が約30%を占める。
- 3.小児固形腫瘍の中で最多である。 ✓
- 4.幼児期には化学療法は行わない。
- 5.幼児期の放射線照射治療は知的発達障害に関連しない。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 小児固形腫瘍の中で最多である。
小児脳腫瘍は小児固形腫瘍(悪性腫瘍)の中で最も頻度が高い疾患です。小児がん全体の約20~25%を占め、白血病に次ぐ第2位の小児悪性腫瘍です。代表的な組織型は髄芽腫、星細胞腫、脳幹グリオーマなどで、これらが小児脳腫瘍の大部分を占めています。
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【各選択肢の解説】
1. 肺に転移しやすい。
❌ 誤り。小児脳腫瘍は脳脊髄液を経由して脊髄や脳膜への髄液播種(中枢神経系内の転移)は起こしやすいですが、肺などの臓器への血行性転移は比較的稀です。髄芽腫は髄液播種の頻度が高いことが特徴です。
2. 髄膜腫が約30%を占める。
❌ 誤り。髄膜腫は小児脳腫瘍の約5~10%程度の割合です。むしろ成人脳腫瘍では髄膜腫が頻度の高い腫瘍ですが、小児では非常に稀です。小児脳腫瘍の大多数は胎生期神経上皮由来の髄芽腫や星細胞腫です。
3. 小児固形腫瘍の中で最多である。
✅ 正しい。小児脳腫瘍は小児固形悪性腫瘍の中で最も頻度が高く、小児がん全体では白血病に次ぐ第2位です。リンパ腫や腎芽腫などの他の小児固形腫瘍よりも発症頻度が高いことが特徴です。
4. 幼児期には化学療法は行わない。
❌ 誤り。幼児期を含む小児脳腫瘍に対しても、腫瘍の種類や進行度に応じて化学療法は積極的に行われます。特に髄芽腫や高悪性度グリオーマでは化学療法が治療の重要な要素となります。幼児に対する化学療法は可能であり、むしろ必要な場合が多いです。
5. 幼児期の放射線照射治療は知的発達障害に関連しない。
❌ 誤り。幼児期の脳への放射線照射は、知的発達障害を含む認知機能障害の重要なリスク因子として広く認識されています。特に幼い時期(3歳以下など)の照射は脳発達が進行中であるため、神経認知機能への悪影響が顕著です。このため、可能な限り放射線照射の線量や照射範囲を減らす試みが進められています。
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【試験対策ポイント】
小児脳腫瘍の基本統計:
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 小児がん全体での位置づけ | 白血病に次ぐ第2位 |
| 小児固形腫瘍中での位置づけ | 最多(約20~25%) |
| 髄膜腫の割合 | 約5~10%(成人では高頻度) |
| 髄液播種 | 起こりやすい(臓器転移は稀) |
頻出組織型(覚えるべき3つ):
- 髄芽腫:最多。髄液播種の頻度高
- 星細胞腫(グリオーマ):第2~3位
- 脳幹グリオーマ:小児脳腫瘍の特徴的なもの
治療における注意点:
- 幼児期でも化学療法は施行される
- 放射線照射→認知機能障害のリスク(