第19回 言語聴覚士国家試験 第108問
精神医学第19回
自我の境界性の異常を伴うのはどれか。
- 1.考想伝播 ✓
- 2.罪責妄想
- 3.観念放逸
- 4.常同行為
- 5.支配観念
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 考想伝播
考想伝播は、自分の思考が他者に伝わっていると信じる現象で、自我の境界(自分と他者の思考の区別)が曖昧になる特徴的な症状です。統合失調症の一級症状とされ、自我障害の典型です。
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【各選択肢の解説】
1. 考想伝播
✅ 正しい。患者が「自分の思考が他人に伝わっている」と感じる現象で、自分の心と他者の心の境界が不明確になっています。自我障害の典型であり、統合失調症に特異的な症状です。
2. 罪責妄想
❌ 誤り。「自分が大罪を犯した」という内容的妄想であり、自我の境界異常は伴いません。妄想の内容の問題であって、自分と他者の区別は保たれています。
3. 観念放逸
❌ 誤り。思考の流れが脱線し、関連性の薄い次々とした観念が浮かぶ現象で、思考の「形式」の異常です。自我の境界異常ではなく、思考の連関の障害です。
4. 常同行為
❌ 誤り。同じ行動を繰り返す症状であり、運動・行動の問題です。自我の境界性とは関連がありません。
5. 支配観念
❌ 誤り。「外部から自分の行動が支配されている」と感じる内容的な妄想で、自我の境界異常そのものではなく、自我意識の異常(自発性の喪失)の表現です。考想伝播とは異なります。
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【試験対策ポイント】
自我障害(自我の境界異常)の代表症状
| 症状 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 考想伝播 | 自分の思考が他者に伝わると信じる | 「皆が僕の考えを知っている」 |
| 考想奪取 | 他者が自分の思考を奪い取ると感じる | 「思考が消える」 |
| 考想挿入 | 他者の思考が自分に入ってくる | 「他人の考えが頭に浮かぶ」 |
| 思考化声 | 自分の思考が声として聞こえる | 「頭の中の声が聴こえる」 |
重要:「支配観念」との区別
- 支配観念:「行動が支配されている」(自発性の喪失)
- 考想伝播:「思考が伝わっている」(自我境界の融解)→より深刻な自我障害
頻出パターン
- 統合失調症における一級症状 = 考想伝播・考想挿入・考想奪取・思考化声
- 妄想(内容的異常)と自我障害(境界的異常)の区別が試験の重点