STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第109問

精神医学第19回
自分が重い病気にかかっているのではないかと疑って多くの医療機関を受診するのはどれか。
  1. 1.パニック障害
  2. 2.解離性障害
  3. 3.心気障害 ✓
  4. 4.強迫性障害
  5. 5.外傷後ストレス障害

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 心気障害 心気障害の中核的特徴は、軽微な身体症状または正常な身体感覚を病気の兆候と誤って解釈し、「自分が重い病気にかかっているのではないか」という確信を持つことです。この確信に基づき、症状の確認のために医学的検査や医療機関の受診を繰り返す(医療機関の受診行動の過剰化)のが典型的な臨床像です。 --- 【各選択肢の解説】 1. パニック障害 ❌ 誤り。パニック障害は予期しない激しい恐怖発作(動悸・呼吸困難・めまいなど)とそれに続く発作予期不安が特徴です。医療機関を繰り返し受診する傾向は、心気障害ほど顕著ではなく、むしろ発作を避けるための回避行動が前景に出ます。 2. 解離性障害 ❌ 誤り。解離性障害は意識・記憶・知覚の連続性が途絶える状態(転換症状や記憶喪失など)が特徴です。「病気の確認のための医療受診」という行動パターンではなく、意識や体験の分断が中心となります。 3. 心気障害 ✅ 正しい。心気障害の患者は「自分は重い病気を持っている」という強い信念を持ち、その確認のために何度も医療機関を受診します。医学的検査で異常がないと医師に説得されても確信が変わりにくく、別の医療機関を受診するという「医療機関渡り歩き」を示すことがあります。これが問題文の「多くの医療機関を受診する」という記述と合致します。 4. 強迫性障害 ❌ 誤り。強迫性障害は侵襲的で不合理な思考(強迫観念)と、それに対抗する反復的な行動(強迫行為)が特徴です。医療受診そのものが強迫行為になることもありますが、メインの症状ではなく、本来的には不安や恐怖に抵抗しながら行動を示します。 5. 外傷後ストレス障害(PTSD) ❌ 誤り。PTSDは過去の外傷的出来事の再体験(侵襲的記憶・悪夢)、回避症状、陰性認知などを特徴とします。医療機関の繰り返し受診は通常の臨床像ではなく、むしろトラウマ関連の症状回避が特徴的です。 --- 【試験対策ポイント】 心気障害と関連疾患の鑑別 | 疾患 | 中核症状 | 医療受診傾向 | 特徴的行動 | |---|---|---|---| | 心気障害 | 軽微症状→重病の確信 | 過剰(医療機関渡り歩き) | 医学的説得に難しい | | パニック障害 | 予期しない恐怖発作 | 発作中は受診あるが、発作回避が目的 | 回避行動が前景 | | 身体症状症 | 医学的説明不可の身体症状(強度・期間) | 医療受診より医学的配慮を求める | 症状による機能障害が大きい | | 転換症 | 神経障害を暗示させる運動・感覚症状 | 低い(症状への関心が低い) | 奇妙な無関心(la belle indifférence) | | 強迫性障害 | 不合理な強迫観念+強迫行為 | 強迫行為が医療受診になることもあるが、メインではない | 自分の思考の不合理性を認識 | キーワード - 心気障害:「重い病気の強い確信」+「医療機関の繰り返し
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