第19回 言語聴覚士国家試験 第111問
耳鼻咽喉科学第19回
鼻出血について誤っているのはどれか。
- 1.出血部位の多くは鼻腔前方である。
- 2.止血困難例は鼻腔後方からの出血が多い。
- 3.小児ではアレルギー性鼻炎に合併しやすい。
- 4.抗凝固薬を服薬中の患者は出血頻度が高い。
- 5.出血時は患者を仰臥位にするのが望ましい。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 出血時は患者を仰臥位にするのが望ましい
鼻出血の急性期管理では、患者を「前かがみの座位(または半座位)」に保つことが標準的です。仰臥位は血液が咽頭へ流れ込み、誤嚥や気道閉塞のリスクが高まるため、推奨されません。
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【各選択肢の解説】
1. 出血部位の多くは鼻腔前方である。
✅ 正しい。鼻腔前方(特にキーゼルバッハ部位:前下鼻甲介の前下方)からの出血が全体の約90%を占めます。この部位は毛細血管が豊富で外傷を受けやすく、易出血性です。
2. 止血困難例は鼻腔後方からの出血が多い。
✅ 正しい。鼻腔後方(特に蝶形骨動脈)からの出血は血管径が大きく、自然止血しにくく、止血困難になりやすいです。この場合は後鼻タンポン等の処置が必要となります。
3. 小児ではアレルギー性鼻炎に合併しやすい。
✅ 正しい。小児のアレルギー性鼻炎は鼻粘膜の充血・腫脹を伴い、掻痒感から頻繁に鼻をいじることで機械的な外傷が生じやすく、出血頻度が高まります。
4. 抗凝固薬を服薬中の患者は出血頻度が高い。
✅ 正しい。ワルファリンやDOAC(直接経口抗凝固薬)などの抗凝固薬は凝固能を低下させるため、出血頻度および止血難度が増加します。これは高齢患者での鼻出血増加の主要因です。
5. 出血時は患者を仰臥位にするのが望ましい。
❌ 誤り。鼻出血時の患者体位は「前かがみの座位」が原則です。仰臥位は咽頭への血液流入→誤嚥・気道閉塞・胃への血液流入による嘔気の危険があり、推奨されません。
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【試験対策ポイント】
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 出血部位 | 前方90%(キーゼルバッハ部位)>後方10%(蝶形骨動脈) |
| キーゼルバッハ部位 | 前下鼻甲介の前下方=易出血部位 |
| 小児の特徴 | アレルギー性鼻炎で出血頻度↑(搔痒感で自傷) |
| 高齢者の特徴 | 抗凝固薬使用で出血頻度↑・止血困難化 |
| **推奨体位** | **前かがみ座位(半座位可)** |
| 避けるべき体位 | 仰臥位→誤嚥・気道閉塞リスク |
| 初期止血 | 圧迫止血(前方10〜15分)→ガーゼ・タンポン |
| 止血困難時 | 後鼻タンポン・血管結紮・塞栓術 |
キーワード:体位管理は「誤嚥防止」が最優先。医学的には逆感覚的に思えても、仰臥位は厳禁。