第19回 言語聴覚士国家試験 第116問
第19回 言語聴覚士国家試験 第116問(耳鼻咽喉科学)の正答は 3 です。開口障害(開口制限・trismus)は、咀嚼筋の攣縮、顎関節の器質的変化、筋への炎症波及、骨片による機械的干渉などで生じる。
- 1.破傷風
- 2.頬骨骨折
- 3.顔面神経麻痺 ✓
- 4.顎関節強直症
- 5.下顎智歯周囲炎
正答:3番
開口障害(開口制限・trismus)は、咀嚼筋の攣縮、顎関節の器質的変化、筋への炎症波及、骨片による機械的干渉などで生じる。咀嚼筋(咬筋・側頭筋・翼突筋)は三叉神経第3枝(V3)支配であり、表情筋を支配する顔面神経とは無関係である。
【各選択肢の解説】
1.破傷風:❌起こす。破傷風毒素が咬筋を持続収縮させ、牙関緊急(trismus)を生じる。開口障害の典型例。
2.頬骨骨折:❌起こす。陥没した頬骨弓が筋突起や側頭筋腱を圧迫し、下顎運動を妨げて開口障害を生じることがある。
3.顔面神経麻痺:✅起こさない(=正答)。顔面神経は表情筋を支配し、咀嚼筋(三叉神経V3支配)には関与しない。閉眼不能や口角下垂は来すが、開口障害は生じない。
4.顎関節強直症:❌起こす。顎関節の線維性・骨性癒着により関節運動が制限され、高度の開口障害を生じる。
5.下顎智歯周囲炎:❌起こす。炎症が咬筋間隙・翼突下顎隙へ波及すると、反射性の炎症性開口障害を起こす。
【試験対策ポイント】
開口障害の原因は「①筋の問題(破傷風の牙関緊急、炎症波及による反射性trismus)」「②関節の問題(顎関節強直症)」「③骨性の機械的干渉(頬骨弓骨折)」に大別でき、いずれも咀嚼筋=三叉神経V3に帰結する。顔面神経(CN VII)は表情筋・アブミ骨筋・涙腺唾液腺などを支配するが咀嚼には関与しないため、顔面神経麻痺で開口障害は生じない。「咀嚼=三叉神経、表情=顔面神経」という支配の区別が解答の決め手となる。
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