第19回 言語聴覚士国家試験 第119問
呼吸系第19回
母音╱a╱の持続発声中、最も内腔圧が高い部位はどれか。
- 1.声門下 ✓
- 2.声門上
- 3.咽 頭
- 4.鼻 腔
- 5.口 腔
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 声門下
母音/a/の持続発声中、声帯の振動に伴う声門下の圧変動が最も顕著です。声門が閉じている時期に声門下(肺からの呼気が溜まる部位)で最高圧に達し、声門が開くと急速に低下します。この圧変動の振幅が全発声経路の中で最大となるため、時間平均での圧値も声門下が最も高くなります。
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【各選択肢の解説】
1. 声門下
✅ 正しい。声門下は肺からの呼気圧(肺圧)が直接作用する部位であり、声帯振動のための駆動圧です。持続発声中、声門が閉じる時期に圧が上昇し、開く時期に低下する周期的な圧変動を示しますが、この変動幅が最大であるため内腔圧は最も高くなります。
2. 声門上
❌ 誤り。声門上の咽頭・喉頭腔は、声帯から発生した音響信号が通過する共鳴腔です。圧変動は声門下より小さく、音響的な共鳴機能が主体となります。
3. 咽頭
❌ 誤り。咽頭は共鳴腔の一部であり、声門下の駆動圧に比べて圧値は著しく低い領域です。咽頭圧は音響放射に伴う微小な圧変動のみです。
4. 鼻腔
❌ 誤り。母音/a/は口腔を主たる共鳴腔とするため、鼻腔への気流は限定的です。内腔圧は咽頭や口腔よりも低くなります。
5. 口腔
❌ 誤り。口腔も共鳴腔であり、声門下ほどの高い圧は生じません。口腔内圧は音響放射による微小な圧変動に留まります。
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【試験対策ポイント】
発声時の圧分布(遠位から近位へ)
| 部位 | 圧値(相対) | 機能 |
|---|---|---|
| 肺 | 最高 | 駆動源 |
| 声門下(肺圧直接作用) | 最高 | 声帯振動のエネルギー供給 |
| 声門 | 中程度 | 開閉による圧変動 |
| 声門上(咽頭・喉頭) | 低 | 共鳴腔 |
| 口腔 | 最低 | 最終共鳴腔・放射 |
重要:「圧が高い」=「エネルギーが大きい」=「音源に近い」
- 声門下は唯一、肺からの駆動圧が直接加わる部位
- 共鳴腔(声門上、咽頭、口腔)は圧が低く、音響特性が問題となる
- 持続発声中の「内腔圧」を問う場合は、駆動圧が最大の声門下を選択