第19回 言語聴覚士国家試験 第130問
精神医学第19回
DSM-5における境界性パーソナリティ障害について正しいはどれか。
- 1.対人関係、自己像、および感情の不安定と、著しい衝動性を示す。 ✓
- 2.誇大性や賞賛されたいという欲求、共感の欠如を示す。
- 3.社会的抑制、不全感、および否定的評価に対する過敏性を示す。
- 4.世話をされたいという過剰な欲求に関連する従属的でしがみつく行動をとる。
- 5.他人の動機を悪意のあるものとして解釈するといった、不信と疑い深さを示す。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 対人関係、自己像、および感情の不安定と、著しい衝動性を示す。
境界性パーソナリティ障害(BPD)はDSM-5で「対人関係、自己像、感情の著しい不安定さと衝動性パターン」として定義されます。放棄されることへの必死の努力、自傷行為・自殺企図、慢性的な空虚感、激しい怒りなどが特徴です。選択肢1はこれらの中核的特徴を正確に記述しています。
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【各選択肢の解説】
1. 対人関係、自己像、および感情の不安定と、著しい衝動性を示す。
✅ 正しい。DSM-5における境界性パーソナリティ障害の定義そのものです。感情の著しい不安定性、衝動的な行動、対人関係の不安定さが並行して起こることが診断基準の要です。
2. 誇大性や賞賛されたいという欲求、共感の欠如を示す。
❌ 誤り。これは自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の特徴です。自己への過度な賞賛欲求、共感性の欠如、他者を搾取する傾向などが該当します。
3. 社会的抑制、不全感、および否定的評価に対する過敏性を示す。
❌ 誤り。これは回避性パーソナリティ障害の特徴です。社会的状況を避け、自分は不適切だと感じ、批判に極度に敏感であることが中核です。
4. 世話をされたいという過剰な欲求に関連する従属的でしがみつく行動をとる。
❌ 誤り。これは依存性パーソナリティ障害の特徴です。他者への過度な依存欲求、決定を他人に委ねる傾向、見捨てられることへの恐怖が顕著です。
5. 他人の動機を悪意のあるものとして解釈するといった、不信と疑い深さを示す。
❌ 誤り。これは妄想性パーソナリティ障害の特徴です。他者の意図を悪意があると解釈し、根拠なく相手を信用しないパターンが特徴です。
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【試験対策ポイント】
DSM-5におけるパーソナリティ障害の鑑別表
| 障害 | 中核特徴 | 感情 | 対人関係 |
|---|---|---|---|
| 境界性 | 不安定性と衝動性 | 激しく変動 | 不安定で対立的 |
| 自己愛性 | 誇大性と共感欠如 | 脆いプライド | 他者搾取的 |
| 回避性 | 社会的抑制 | 否定評価への恐怖 | 親密性回避 |
| 依存性 | 依存欲求と従属性 | 見捨てられることの恐怖 | 過度に依存的 |
| 妄想性 | 不信と疑い深さ | 根拠ない怒り | 信頼欠如 |
| 反社会性 | 共感欠如と無責任性 | 罪悪感なし | 他者操作的 |
| 演技性 | 過度な感情表現 | 浅薄で変動 | 注目獲得的 |
重要な負の鑑別:
- 境界性は「見捨てられる恐怖」(対象喪失への反応) ≠ 依存性の「世話されたい欲求」
- 境界性の「激しい怒り」 ≠ 自己愛性の「脆いプライドからの怒り」
- 境界性は「自己像の不安定さ」 ≠ 自己愛性の「安定した誇大自己像」