第19回 言語聴覚士国家試験 第131問
臨床心理学第19回
質問紙法による人格検査の特徴として最も適切なのはどれか。
- 1.あいまいな刺激を提示して自由な反応を引き出すことができる。
- 2.検査の意図が分かりにくく回答を歪めることが難しい。
- 3.回答者によって質問項目の解釈が異なる可能性がある。 ✓
- 4.本人が気付いていない無意識的側面を捉えることができる。
- 5.結果は判定者の主観によって解釈される部分が多い。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 回答者によって質問項目の解釈が異なる可能性がある。
質問紙法は構造化された質問項目に対して回答を求める方法です。質問の意味が回答者によって異なるように解釈される可能性があること、及び回答の標準化と客観的な集計が可能である特徴を理解することが重要です。
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【各選択肢の解説】
1. あいまいな刺激を提示して自由な反応を引き出すことができる。
❌ 誤り。これは投影法(ロールシャッハテスト・TAT)の特徴です。質問紙法は構造化された明確な質問項目を用いるため、あいまいな刺激ではなく具体的な質問を提示します。
2. 検査の意図が分かりにくく回答を歪めることが難しい。
❌ 誤り。質問紙法は検査の意図が比較的分かりやすいため、むしろ回答者が社会的に望ましい回答をする傾向(社会的望ましさバイアス)が生じやすく、回答を歪めやすいという欠点があります。
3. 回答者によって質問項目の解釈が異なる可能性がある。
✅ 正しい。質問紙法の最も顕著な課題の一つです。「よく当てはまる」「少し当てはまる」などの相対的な表現や、質問の意味そのものが回答者の背景知識・経験・価値観によって異なるように解釈される可能性があります。
4. 本人が気付いていない無意識的側面を捉えることができる。
❌ 誤り。無意識的側面を捉えるのは投影法の強みです。質問紙法は意識的な自己報告に基づくため、無意識的側面の測定には不適切です。
5. 結果は判定者の主観によって解釈される部分が多い。
❌ 誤り。質問紙法の利点は、採点・集計が客観的で機械的であること、統計的処理が可能なことです。判定者の主観が大きく関わるのは投影法です。
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【試験対策ポイント】
質問紙法 vs 投影法 の対比表
| 特徴 | 質問紙法 | 投影法 |
|---|---|---|
| 刺激 | 構造化・明確 | あいまい・非構造化 |
| 回答方式 | 選択肢から選ぶ(強制選択) | 自由反応 |
| 採点 | 客観的・機械的 | 主観的・熟練を要する |
| 測定対象 | 意識的側面 | 無意識的側面 |
| 社会的望ましさバイアス | 生じやすい | 生じにくい |
| 質問意図の察知 | しやすい | しにくい |
質問紙法の代表例:MMPI、16PF、YG性格検査、自己記入式質問紙
投影法の代表例:ロールシャッハテスト、TAT(主題統覚検査)、文章完成法
紛らわしいポイント:「回答の解釈が異なる可能性」は採点時の解釈ではなく、回答者が質問項目の意味をどう理解するかという段階での相違を指しています。