第19回 言語聴覚士国家試験 第15問
臨床神経学第19回
ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。
- 1.感覚障害を主症状とする。 ✓
- 2.深部腱反射が減弱する。
- 3.髄液で蛋白細胞解離がみられる。
- 4.先行感染に伴うことが多い。
- 5.一般に予後は良好である。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 感覚障害を主症状とする。
ギラン・バレー症候群(GBS)は急性炎症性脱髄多発根神経炎であり、主症状は運動障害(筋力低下)です。感覚障害は伴うことがありますが、決して主症状ではなく、むしろ運動症状が前景に立つ疾患です。選択肢1が唯一の誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 感覚障害を主症状とする。
❌ 誤り。GBSの主症状は運動障害(四肢の筋力低下)です。感覚障害は伴うことがありますが従的で、主症状ではありません。これがこの疾患の臨床的特徴です。
2. 深部腱反射が減弱する。
✅ 正しい。GBSは末梢神経の脱髄が生じるため、深部腱反射は著しく減弱ないし消失します。むしろ反射消失が目立つ特徴です。
3. 髄液で蛋白細胞解離がみられる。
✅ 正しい。GBSの髄液所見の特徴は「蛋白質の上昇(通常100~600mg/dL)」と「細胞数は正常~わずか」(通常5個/mm³以下)という蛋白細胞解離です。このパターンはGBS診断の重要な支持所見です。
4. 先行感染に伴うことが多い。
✅ 正しい。GBSは上気道感染や消化管感染(カンピロバクター腸炎が代表)の1~3週間後に発症することが多く、自己免疫機序が想定されています。
5. 一般に予後は良好である。
✅ 正しい。GBSは急性期には呼吸筋麻痺などで重篤化する可能性がありますが、治療(免疫グロブリン大量療法や血漿交換)により多くの症例が数週間~数ヶ月で回復します。完全回復率は70~80%です。
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【試験対策ポイント】
ギラン・バレー症候群の臨床的特徴:
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 主症状 | 運動障害(筋力低下)が前景。上肢より下肢から上行性に進行 |
| 感覚障害 | 伴うことは多いが、主症状ではない。軽度が特徴 |
| 反射 | 深部腱反射は著しく減弱・消失(下位運動ニューロン障害) |
| 髄液所見 | **蛋白細胞解離**が特徴(蛋白↑、細胞数正常) |
| 先行感染 | 上気道感染・カンピロバクター腸炎など |
| 発症様式 | 数日~2週間で急速に進行 |
| 呼吸筋麻痺 | 30~40%で必要。人工呼吸器管理あり |
| 予後 | 一般に良好(完全回復70~80%) |
頻出の紛らわしい点:
- GBSは「運動障害主体」「感覚障害は従」という対比が試験で繰り返し問われます
- 「蛋白細胞解離」はGBSの髄液診断上、最も重要なキーワードです
- 下位運動ニューロン障害のため「反射消失」と覚えてください