第19回 言語聴覚士国家試験 第154問
失語症第19回
古典型純粋失読の病巣に含まれるのはどれか。
a.頭頂葉
b.側頭葉
c.後頭葉
d.脳梁
e.視床
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
古典型純粋失読は「読字障害のみで書字・言語機能が保持される」稀な症候群で、後頭葉の視覚野損傷と脳梁膝部(splenium)の損傷による視覚情報の言語中枢への到達遮断によって生じます。左後頭葉損傷で右視野が失われ、右後頭葉の残存視覚野からの情報も脳梁損傷で左ウェルニッケ中枢に到達できないため、読字のみが不可能になります。
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【各選択肢の解説】
a. 頭頂葉
❌ 誤り。古典型純粋失読の病巣に含まれません。頭頂葉は実行機能や空間認知に関わりますが、読字機能の直接的な障害部位ではありません。
b. 側頭葉
❌ 誤り。古典型純粋失読の病巣には含まれません。ウェルニッケ野は側頭葉上部にありますが、この症候群では言語理解は保持されるため、側頭葉を含む言語中枢の損傷ではありません。
c. 後頭葉
✅ 正しい。視覚野の損傷により、文字という視覚情報の処理が最初の段階で障害されます。典型的には左後頭葉と右後頭葉の両側への血流障害により両眼右視野盲が生じ、読字が不可能になります。
d. 脳梁
✅ 正しい。脳梁膝部(genu)または脳梁後部(splenium)の損傷により、残存する右後頭葉からの視覚情報が左半球の言語中枢(ウェルニッケ野)に到達できなくなります。これが「古典型」の本質的病巣です。
e. 視床
❌ 誤り。視床は視覚情報の中継核ですが、古典型純粋失読の定型的病巣には含まれません。むしろ後頭葉皮質と脳梁の損傷が問題となります。
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【試験対策ポイント】
古典型純粋失読の成立機序:
| 要素 | 役割 | 損傷の影響 |
|---|---|---|
| 左後頭葉 | 視覚野 | 右視野盲 |
| 右後頭葉 | 視覚野 | 左視野盤 |
| 脳梁(膝部/脳弓部) | 視覚情報の対側移行 | 右半球情報がウェルニッケ野に到達不可 |
重要な否定知識:
- 「言語中枢(Broca/Wernicke野)の直接損傷ではない」→だから会話・聴理解・書字は保持
- 「視床単独損傷では起こらない」→皮質レベルの問題
- 「頭頂葉損傷では起こらない」→失読失書症や視空間認知障害は別の症候
後頭葉 + 脳梁の組み合わせが必須という点を必ず覚えること。