第19回 言語聴覚士国家試験 第156問
失語症第19回
失語症における発話の流暢性の評価指標でないのはどれか。
- 1.錯 語
- 2.保 続 ✓
- 3.文法形態
- 4.発話の長さ
- 5.プロソディー
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 保 続
保続は反復的に同じ言語反応が生じる「内容」に関する症状であり、発話の流暢性そのものを直接評価する指標ではありません。流暢性評価は「どれだけ滑らかに・リズミカルに・自動的に言葉が出るか」という形式的側面を測定するため、保続のような意味的・神経生物学的な障害とは区別されます。
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【各選択肢の解説】
1. 錯 語
✅ 正しい。流暢性評価指標に含まれます。錯語(新造語・音韻錯語・意味錯語)は「自動的・滑らかな発話」の障害を示す指標となります。過流暢で誤った内容が出現するパターンは、Wernicke失語などの流暢失語の典型的特徴です。
2. 保 続
❌ 誤り。保続は「同じ言語反応の病的繰り返し」であり、流暢性ではなく「障害の質的特性」を示す症状です。保続は痴呆・前頭葉病変・失語症など多くの疾患で見られますが、流暢な発話のなかでも起こるため、流暢性そのものの指標ではありません。
3. 文法形態
✅ 正しい。流暢性評価指標に含まれます。機能語や屈折・活用などの文法形態の産出能力は流暢性と密接に関連します。Broca失語では非流暢で文法形態障害が著明ですが、Wernicke失語では流暢で文法形態相対的保持があるという対比は古典的です。
4. 発話の長さ
✅ 正しい。流暢性評価指標に含まれます。MELTやWAB失語症検査では「音韻単位当たりの平均発話長(phrase length)」を測定します。非流暢失語は短く断片的、流暢失語は長い傾向があります。
5. プロソディー
✅ 正しい。流暢性評価指標に含まれます。イントネーション・リズム・話速・ストレスパターンといったプロソディーは流暢性の重要な構成要素です。Broca失語ではプロソディーの平坦化が典型的です。
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【試験対策ポイント】
流暢性評価の5つの主要指標
| 指標 | 評価内容 | 例 |
|---|---|---|
| 錯語の有無・頻度 | 音韻/意味/新造語の出現 | 過流暢型で多発 |
| 文法形態 | 機能語・屈折・活用の産出 | 非流暢で低下 |
| 発話の長さ | 平均句長(フレーズレングス) | 短い→非流暢 |
| プロソディー | リズム・イントネーション・話速 | 平坦→非流暢 |
| **保続(除外)** | **同じ反応の繰り返し** | **流暢性とは別概念** |
保続が「誤りの理由」
- 流暢性=「形式的な発話の流れやすさ」
- 保続=「内容の病的繰り返し」(神経学的症状)
- 保続は流暢な発話のなかでも起こりうる
- 流暢失語(Wernicke)でも保続が見られることがある