第19回 言語聴覚士国家試験 第159問
失語症第19回
4歳の後天性小児失語症の言語評価に適切なのはどれか。
a.質問-応答関係検査
b.絵画語い発達検査
c.失語症鑑別診断検査
d.標準抽象語理解力検査
e.教研式読書力診断検査(Reading-Test)
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a, b
4歳の後天性小児失語症評価には、発達段階に適した検査が必要です。この時期の言語能力は「具体的・日常的語彙の理解と使用」が中心であり、抽象語や読書能力はまだ発達途上です。適切な検査は、質問応答能力と基本語彙の発達状況を評価する「a」と「b」です。
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【各選択肢の解説】
a. 質問-応答関係検査
✅ 正しい。語用論的能力(社会的コミュニケーション場面での応答性)を評価でき、4歳児の実生活での言語使用状況を把握できます。後天性失語症で失われた日常的な対話能力の回復程度を測定するのに適切です。
b. 絵画語い発達検査
✅ 正しい。4歳児の発達段階に標準化された検査で、理解語彙と表出語彙の発達水準を測定します。後天性失語症により低下した語彙能力の程度と種類を把握するのに最適な検査です。
c. 失語症鑑別診断検査
❌ 誤り。この検査は成人失語症患者用に標準化されており、4歳児には言語負荷が高すぎます。また、小児の脳可塑性による回復パターンは成人と異なるため、成人用の鑑別枠組みは適用困難です。
d. 標準抽象語理解力検査
❌ 誤り。抽象語(「平和」「自由」など)は4歳児にはまだ理解困難な発達段階です。この時期は具体的語彙が優位であり、抽象語検査は適切ではありません。小学高学年以降の検査として位置づけられています。
e. 教研式読書力診断検査(Reading-Test)
❌ 誤り。4歳児はまだ読み書き能力が未発達または未習得の段階です。この検査は小学生以上を対象とした読解能力評価であり、4歳児の言語機能評価として適切ではありません。
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【試験対策ポイント】
**小児失語症評価に用いる検査の選択基準**
| 検査名 | 対象年齢 | 評価内容 | 4歳での使用 |
|---|---|---|---|
| 質問応答関係検査 | 幼児〜学童 | 語用論・社会的コミュニケーション | ✅ 適切 |
| 絵画語い発達検査 | 1.5〜6歳 | 理解・表出語彙発達水準 | ✅ 適切 |
| 失語症鑑別診断検査 | 成人 | 失語症のタイプ分類(成人用) | ❌ 不適切 |
| 標準抽象語理解力検査 | 小学生以上 | 抽象語理解 | ❌ 不適切 |
| Reading-Test | 小学生以上 | 読書能力・読解力 | ❌ 不適切 |
**後天性小児失語症の重要知識**
- 発達段階に応じた検査選択が必須(成人用検査の適用は不可)
- 小児の脳可塑性により,成人より回復予後が良好
- 4歳時点では「抽象語」「読み書き」は評価対象外
- 評価焦点:具体的語彙,日常会話能力,語用論的機能