第19回 言語聴覚士国家試験 第162問
高次脳機能障害第19回
レビー小体認知症でみられないのはどれか。
- 1.幻 視
- 2.妄 想
- 3.記憶障害
- 4.常同行動 ✓
- 5.視覚構成障害
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 常同行動
レビー小体認知症(DLB)の特徴的症状は「幻視」「パーキンソニズム」「認知機能変動」の3徴で、妄想や記憶障害、視覚構成障害は高頻度でみられます。常同行動(反復的で目的のない行動)はアルツハイマー病や前側頭葉変性症などの前頭葉病変で特徴的であり、DLBでは顕著な症状ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 幻視
✅ 正しい。DLBの最も特徴的な症状の一つ。視覚野(後頭葉)へのレビー小体蓄積により、形態が明確でリアルな幻視(人物・動物など)が頻出します。覚醒度が変動する際に出現しやすい特徴があります。
2. 妄想
✅ 正しい。DLBでは幻視に伴う二次的妄想が約50%に見られます。また一次的妄想(嫉妬妄想など)も認められ、アルツハイマー病よりもむしろ高頻度です。
3. 記憶障害
✅ 正しい。DLBでも認知機能障害は顕著であり、記憶障害も存在します。ただしアルツハイマー病ほど初期から著しくない点が鑑別ポイントです。
4. 常同行動
❌ 誤り。常同行動(ステレオタイプな反復行動)は前頭葉障害に特徴的であり、DLBの主要症状ではありません。むしろ前側頭葉変性症(FTD)やアルツハイマー病の進行期に顕著に出現します。
5. 視覚構成障害
✅ 正しい。DLBでは後頭葉を中心とした皮質後部の障害により、視覚構成能力(時計描写など)の低下がアルツハイマー病と同程度かそれ以上に見られ、鑑別検査として用いられます。
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【試験対策ポイント】
認知症の鑑別における主要症状比較
| 症状 | DLB(レビー小体) | AD(アルツハイマー) | FTD(前側頭葉変性) |
|---|---|---|---|
| 幻視 | ◎◎(高頻度) | ×(低頻度) | ×(低頻度) |
| 記憶障害 | ○(中等度) | ◎(初期から著明) | ×(初期は保持) |
| 視覚構成障害 | ◎◎(高度) | ◎◎(高度) | ×(初期は保持) |
| 常同行動 | ×(低頻度) | △(後期) | ◎◎(高頻度) |
| パーキンソニズム | ◎◎(特徴的) | △(後期) | △(不規則) |
| 人格変化 | △(後期) | △(後期) | ◎◎(初期) |
レビー小体認知症(DLB)の必修知識
DLB三徴
1. 幻視(早期から出現)
2. パーキンソニズム(寡動・筋固縮・姿勢反射障害)
3. 認知機能変動(日中の著しい変動)
付随症状
- REM睡眠行動障害
- 抗精神病薬への極度の感受性亢進(悪性症候群リスク)
- 妄想・うつ症状
常同行動が特徴的な疾患
- 前側頭葉変性症(FTD)
- ピック病(FTDの一亜型)
- 進行性核上性麻痺(PSP)
出題ポイント
「DLBでみられない症状」という否定形設問では、「前頭葉病