STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第163問

高次脳機能障害第19回
記憶障害のリハビリテーションとして適切でないのはどれか。
  1. 1.環境調整
  2. 2.間隔伸張法
  3. 3.グループ訓練
  4. 4.プリズム順応 ✓
  5. 5.誤りなし学習法

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — プリズム順応 プリズム順応は視覚的な空間認識歪みの矯正技法であり、記憶障害のリハビリテーション方法ではありません。記憶障害には環境調整、間隔伸張法、グループ訓練、誤りなし学習法が標準的なアプローチとして確立しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 環境調整 ✅ 正しい。記憶障害患者の生活環境を整備し(メモ帳の活用、スケジュール管理表の設置、外出時の携帯品チェックリスト作成など)、記憶に頼らない代償機能を強化する基本的かつ最も実用的な介入方法です。 2. 間隔伸張法 ✅ 正しい。学習初期には短い間隔で繰り返し練習し、習熟に伴って徐々に間隔を延ばしていく方法。記憶定着のエビデンスが豊富で、記憶障害リハの代表的認知訓練法です。 3. グループ訓練 ✅ 正しい。同じ記憶障害を持つ患者同士で情報交換や経験共有を行うことで、社会的相互作用を通じた学習と心理社会的サポートが得られます。記憶障害患者の包括的リハの重要な要素です。 4. プリズム順応 ❌ 誤り。プリズム眼鏡を装用して視覚的な空間認識の歪みを矯正する方法であり、主に空間無視(半側空間無視)のリハビリテーションで用いられます。記憶機能の改善を目的とした訓練ではありません。 5. 誤りなし学習法 ✅ 正しい。患者が誤反応を犯さないよう段階的にヒントやプロンプトを与え、正反応のみを経験させる学習方法。記憶障害患者の学習効率を高め、誤った記憶の形成を防ぎます。 --- 【試験対策ポイント】 記憶障害のリハビリテーション方法(代表的5つ) | 方法 | 特徴 | 対象・活用場面 | |---|---|---| | 環境調整 | 代償機能の強化 | メモ・スケジュール帳・チェックリスト | | 間隔伸張法 | 記憶定着の促進 | 認知訓練の基本(短→長間隔へ) | | グループ訓練 | 社会的相互作用 | 心理社会的サポート・情報交換 | | 誤りなし学習法 | 学習効率の向上 | 段階的ヒント・正反応の強化 | | プリズム順応 | 空間認識矯正 | 半側空間無視(記憶とは無関) | 紛らわしい点:プリズム順応は高次脳機能リハの重要技法ですが、「空間無視」対象であり、記憶障害の直接的治療法ではありません。出題では「高次脳機能障害全般のリハ」から「記憶障害特異的なリハ」の知識の区別が求められます。
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