STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第164問

言語発達障害学第19回
3歳児において発達の遅れが疑われるのはどれか。 a.2語文が出現していない。 b.ブランコで立ち乗りができない。 c.十字が書けない。 d.色の名前が言えない。 e.大きい小さい尾が分からない。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 3歳児の正常発達では、語彙が1000語以上に達し、簡単な文法構造の会話が可能になる時期です。2語文の未出現と、「大きい・小さい」などの相対的概念の理解不足は、この時期の明らかな発達遅れを示します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 2語文が出現していない。 ✅ 正しい(発達遅れの指標)。3歳児は「大きい」「これはなに」などの2語以上の文が普通に出現している。この時期に2語文がなければ、言語発達の明らかな遅れを示唆する。 b. ブランコで立ち乗りができない。 ❌ 誤り(正常範囲)。ブランコでの立ち乗りは、動的バランス能力を要する動作で、多くの3歳児では困難。習得は3歳後半~4歳以降が目安であり、3歳時点では個人差が大きく遅れの指標にはならない。 c. 十字が書けない。 ❌ 誤り(正常範囲)。3歳児は円や点を描く段階で、十字や三角形などの図形は4~5歳で習得される。3歳で十字が書けなくても発達遅れではない。 d. 色の名前が言えない。 ❌ 誤り(正常範囲)。色名の習得は個人差が大きく、3歳時点で言えなくても正常範囲内。一般的には3~4歳で色名の理解が始まり、確実な認識・命名は4~5歳以降である。 e. 大きい小さい尾が分からない。 ✅ 正しい(発達遅れの指標)。「大きい」「小さい」などの相対的・比較的概念の理解は、3歳中盤~後半で定着する。この時期に理解がなければ、認知・言語発達の遅れを示唆する。 --- 【試験対策ポイント】 3歳児の発達マイルストーン: | 領域 | 3歳の標準 | |---|---| | 言語 | 語彙1000語以上、2語文・簡単な短文普通 | | 認知 | 大きい・小さい、上・下などの基本的位置関係理解 | | 粗大運動 | 3輪車漕ぎ、階段上り下り交互足 | | 微細運動 | 円描画、塔積み7個、挟みで紙切り(前段階) | 発達遅れの見分け方(3歳時点): ・言語領域:2語文未出現、語彙不足(50語以下)→遅れ指標 ・認知領域:基本的色彩概念(理解)未獲得→正常範囲 ・運動領域:複雑な動作(立ち乗り、図形描画)未習得→個人差大で遅れ指標ではない ・比較概念(大小、多少)の理解不足→遅れ指標 紛らわしい項目の区別: ・「色名を言う」「色の違いを見分ける」は3~4歳時点で個人差が著しい ・「十字描画」は4~5歳課題であり、3歳で未習得は予期される ・ブランコ立ち乗りは「動的バランス」を必要とし、3歳で習得率は低い
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