第19回 言語聴覚士国家試験 第165問
言語発達障害学第19回
注意欠陥╱多動性障害の特徴でないのはどれか。
- 1.順番が待てない。
- 2.男児に多い。
- 3.成人期になると症状は消失する。 ✓
- 4.ワークングメモリの障害がある。
- 5.他の刺激に注意がそれやすい。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 成人期になると症状は消失する。
ADHD(注意欠陥/多動性障害)は発達神経生物学的障害であり、成人期に「症状が完全に消失する」ことはありません。むしろ成人でも約50~60%の人が診断基準を満たす症状を持ち続けており、治療継続が必要な場合も多くあります。症状は年齢とともに変化・軽減することはありますが、「消失する」という表現は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 順番が待てない。
✅ 正しい。ADHD児は衝動性が強く、交代の順番待ちや他者の話を聞き終わるまで待つことが困難です。これは多動性-衝動性優位型の典型症状です。
2. 男児に多い。
✅ 正しい。ADHD診断者の約3~4倍は男児です。女児ではより微妙な不注意型で見落とされやすい傾向があります。
3. 成人期になると症状は消失する。
❌ 誤り。ADHD症状は持続性障害であり、成人期にも約50~60%の人が診断基準を満たす症状を維持します。症状の表現形が変わることはありますが、「消失する」わけではありません。
4. ワークングメモリの障害がある。
✅ 正しい。ADHD児の多くはワーキングメモリ(作業記憶)の容量制限を示し、複数段階の指示理解や情報保持に困難があります。これが学習支援や環境調整の対象になります。
5. 他の刺激に注意がそれやすい。
✅ 正しい。不注意型ADHDの核症状であり、周囲の音や動きなど関係のない刺激に選別なく反応し、課題への集中を維持できません。
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【試験対策ポイント】
ADHDの誤りやすい知識
| 項目 | 正しい内容 | よくある誤り |
|---|---|---|
| 成人への影響 | 50~60%が成人でも診断基準満たす | 症状が完全に消失する |
| 性別比 | 男児に3~4倍多い | 男女同等 |
| コア症状 | 不注意・多動性・衝動性の3要素 | 知的障害を伴う |
| ワーキングメモリ | 容量制限が顕著 | 長期記憶のみ障害 |
| 治療 | 薬物療法+行動療法 | 薬物療法のみで軽快 |
ADHD診断の「持続性」が重要:就学前から現在までの症状が見られ、複数場面(家庭・学校・社会)で支障を来たしていることが診断基準です。「成人で消失する」という記述は発達障害の本質に反するため、選択肢として明らかな誤りです。