第19回 言語聴覚士国家試験 第177問
機能性構音障害第19回
異常構音と聴覚印象との組み合わせで誤っている組み合せはどれか。
- 1.咽(喉)頭破裂音 ― のどに力が入った「カ」に近い歪み音に聞こえる。
- 2.口蓋化構音 ― 「タ」が「カ」に近い歪み音に聞こえる。
- 3.側音化構音 ― 「キ」が「ヒ」に近い歪み音に聞こえる。
- 4.声門破裂音 ― のどをつめて発生した母音に聞こえる。
- 5.鼻咽腔構音 ― 「キ」が「チ」に近い歪み音に聞こえる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 鼻咽腔構音 ― 「キ」が「チ」に近い歪み音に聞こえる
鼻咽腔構音は軟口蓋の不十分な挙上により、通常は口腔で形成される音が鼻腔を経由して産生される構音障害です。「キ」は軟口蓋音(奥舌根と軟口蓋の接触で形成)であるため、鼻咽腔構音では「ギ」のような濁音化、あるいは鼻音化「ンギ」のように聞こえます。「チ」(歯茎硬口蓋破裂音)に聞こえるというのは矛盾しており、これが誤った組み合わせです。
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【各選択肢の解説】
1. 咽(喉)頭破裂音 ― のどに力が入った「カ」に近い歪み音に聞こえる
✅ 正しい。咽頭破裂音は咽頭腔で形成される破裂音で、通常は「カ」の位置よりもさらに奥(咽頭)で呼気を阻止するため、「カ」に似ながらもより喉に力が入った歪み音として聞こえます。
2. 口蓋化構音 ― 「タ」が「カ」に近い歪み音に聞こえる
✅ 正しい。口蓋化構音は本来の調音点がより前方(歯茎音)から後方(硬口蓋)へ移動する現象です。「タ」(歯茎破裂音)が硬口蓋で形成されると「キャ」に近づき、結果「カ」のような歪み音に聞こえます。
3. 側音化構音 ― 「キ」が「ヒ」に近い歪み音に聞こえる
✅ 正しい。側音化構音では舌中央を使う「キ」が舌側部を使う構音に変わり、気流が側方に逃げるため、「ヒ」のような摩擦的で気息性の高い音に聞こえます。
4. 声門破裂音 ― のどをつめて発生した母音に聞こえる
✅ 正しい。声門破裂音(glottal stop)は声帯を閉鎖して呼気を阻止し、その後解放することで「?(グロッタルストップ)」という音を形成します。「のどをつめた」という表現はこのメカニズムを正確に表しており、母音の前に挿入されたり、音節境界で聞こえたりします。
5. 鼻咽腔構音 ― 「キ」が「チ」に近い歪み音に聞こえる
❌ 誤り。鼻咽腔構音では軟口蓋が十分に挙上されないため、軟口蓋音「キ」は濁音化して「ギ」に、または鼻音化して「ンギ」のように聞こえます。「チ」(歯茎硬口蓋破裂音)に変化することはありません。
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【試験対策ポイント】
異常構音の聴覚印象を区別するための重要特性:
| 異常構音 | メカニズム | 聴覚印象 | 調音点の変化 |
|---|---|---|---|
| 咽頭破裂音 | 咽頭腔での阻止 | 「カ」の奥版 | さらに後方 |
| 口蓋化 | 調音点が前→後 | 歯茎音が硬口蓋音化 | 後方へ移動 |
| 側音化 | 舌中央→舌側を使用 | 気息性・摩擦音化 | 側方へ逃げる |
| 声門破裂音 | 声帯での阻止 | グロッタルストップ | 喉頭位置 |
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