第19回 言語聴覚士国家試験 第181問
運動障害性構音障害第19回
痙性構音障害でみられないのはどれか。
- 1.努力性嗄声
- 2.筋緊張亢進
- 3.線維束性収縮(攣縮) ✓
- 4.不規則な交互運動
- 5.開鼻声
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 線維束性収縮(攣縮)
痙性構音障害は両側錐体路障害(上位運動ニューロン障害)による構音障害であり、線維束性収縮は下位運動ニューロン障害に特有の所見です。痙性麻痺では筋緊張の亢進と不規則な動きが特徴ですが、筋線維の脱神経に由来する線維束性収縮は起こりません。
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【各選択肢の解説】
1. 努力性嗄声
✅ 正しい。痙性構音障害では発声時に喉頭内筋群(内喉頭筋)の緊張が強まり、声帯の過度な接近により努力性嗄声が特徴的に聴取されます。発話は緊張感に満ちた音質を呈します。
2. 筋緊張亢進
✅ 正しい。痙性構音障害の基本的徴候であり、両側錐体路障害による典型的な症状です。特に舌・顎・口唇などの構音関連筋の筋緊張が亢進し、動きの制限につながります。
3. 線維束性収縮(攣縮)
❌ 誤り。線維束性収縮は下位運動ニューロン障害(脱神経筋)に特有の所見です。痙性構音障害は上位運動ニューロン障害であり、下位運動ニューロンは障害されないため線維束性収縮は生じません。ALS混合型で一側のみ見られることはありますが、痙性構音障害単独では起こりません。
4. 不規則な交互運動
✅ 正しい。痙性麻痺では交互運動が緩徐で、かつ不規則になります(交互運動障害)。特に舌の上下運動など構音に必要な運動が円滑に行われず、構音の明瞭性が低下します。
5. 開鼻声
✅ 正しい。痙性構音障害では軟口蓋筋の緊張亢進の影響を受けることもありますが、さらに軟口蓋の挙上不全が生じると開鼻声が現れます。特に偽性球麻痺では軟口蓋機能が障害されやすいため高頻度で認められます。
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【試験対策ポイント】
運動障害性構音障害(Mayo分類)と線維束性収縮の関連
| 構音障害タイプ | 障害レベル | 線維束性収縮 | 筋緊張 | 代表疾患 |
|---|---|---|---|---|
| 痙性 | 上位運動ニューロン(両側) | なし | 亢進 | 偽性球麻痺・脳卒中 |
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | あり | 低下 | 球麻痺・ギラン・バレ |
| 失調性 | 小脳 | なし | 亢進なし | 小脳梗塞・脊髄小脳変性症 |
| 運動低下性 | 錐体外路 | なし | 正常〜軽度↑ | パーキンソン病 |
| 混合性 | 複数(上位+下位) | あり(下位の部) | 部位による | ALS |
線維束性収縮が出現する条件:下位運動ニューロン障害のみ(脱神経筋が脳からの信号を失った状態)
痙性構音障害の主要特徴語呂合わせ:「努力性+筋緊張+交互運動障害+開鼻声」(線維束性は含まない)