STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第184問

嚥下障害第19回
嚥下造影検査で評価が困難なのはどれか。
  1. 1.嚥下圧 ✓
  2. 2.鼻咽腔逆流
  3. 3.喉頭挙上障害
  4. 4.嚥下反射惹起不全
  5. 5.食道入口部開大障害

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 嚥下圧 嚥下造影検査(VF)はX線透視下で食塊の動きをリアルタイムで観察する検査ですが、圧力を直接測定することはできません。嚥下圧の評価には、球状体をセンサーで追跡するビデオX線マノメトリー検査が必要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 嚥下圧 ❌ 誤り。VFは画像検査であり、咽頭圧や食道入口部の圧力を定量的に測定することができません。嚥下圧の評価にはマノメトリー検査(食道内圧測定)が必須です。 2. 鼻咽腔逆流 ✅ 正しい。VFで容易に評価できます。口腔期に軟口蓋が十分に挙上しない場合、造影剤が鼻腔へ流入する様子が明確に観察されます。 3. 喉頭挙上障害 ✅ 正しい。VFで容易に評価できます。甲状軟骨の上方移動距離や移動速度を測定することで、喉頭挙上の程度と気道保護能を判定できます。 4. 嚥下反射惹起不全 ✅ 正しい。VFで評価可能です。咽頭期の開始遅延や反射惹起の有無が造影剤の動きで明確に確認できます(嚥下反射自体の瞬間はホワイトアウトで不可視ですが、反射の有無は判定できます)。 5. 食道入口部開大障害 ✅ 正しい。VFで評価可能です。造影剤が食道入口部で停留する様子や、入口部の開閉運動の異常が観察できます。 --- 【試験対策ポイント】 嚥下検査の特性 | 検査法 | 評価可能項目 | 評価困難な項目 | |---|---|---| | 嚥下造影検査(VF) | 食塊の動き・経路・誤嚥の有無・喉頭挙上・軟口蓋運動・食道入口部開大 | **圧力・筋電図** | | マノメトリー | 咽頭圧・食道圧・嚥下圧 | 視覚的な食塊移動 | | 嚥下内視鏡(VE) | 唾液貯留・誤嚥の有無・喉頭侵入・喉頭感覚 | 嚥下反射の瞬間(ホワイトアウト) | 重要な否定知識 - VFは「圧力測定装置ではない」(あくまで画像検査) - マノメトリーは「画像が得られない」(圧力波形のみ) - VEは「嚥下反射の開始から終了までが見えない」(反射中のホワイトアウト) 嚥下圧とは - 咽頭圧:200mmHg前後 - 食道入口部圧:100mmHg前後 - 食道蠕動圧:30〜100mmHg → これらはセンサープローブを用いて「初めて測定可能」
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