第19回 言語聴覚士国家試験 第186問
嚥下障害第19回
誤嚥を疑う所見として誤っているのはどれか。
- 1.嚥下痛 ✓
- 2.食後のむせ
- 3.発 熱
- 4.喀痰の増加
- 5.湿性咳嗽
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 嚥下痛
嚥下痛は咽頭炎や食道炎など炎症性疾患による症状であり、誤嚥の直接的な指標ではありません。むしろ嚥下痛がある場合は患者が嚥下を避けるため、誤嚥リスクは相対的に低くなります。一方、他の4項目はすべて誤嚥により気道に食物や唾液が流入することで生じる具体的な所見です。
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【各選択肢の解説】
1. 嚥下痛
❌ 誤り。嚥下痛は咽頭や食道の炎症による症状であり、誤嚥の直接的な指標ではありません。むしろ嚥下痛があると患者は防御的に嚥下を制限するため、誤嚥の頻度が低くなる傾向があります。
2. 食後のむせ
✅ 正しい。食後にむせが出現することは、食物が気道に侵入した際の気道防御反応です。特に咳嗽反射として現れ、誤嚥の古典的な兆候とされています。
3. 発熱
✅ 正しい。誤嚥によって気道に異物が進入すると、気道炎症や誤嚥性肺炎を引き起こし、発熱を呈します。高齢者の場合、症状が非典型的でも発熱が唯一の兆候となることがあります。
4. 喀痰の増加
✅ 正しい。誤嚥により気道内に唾液や食物が混在すると、気道刺激により反射的に喀痰産生が増加します。
5. 湿性咳嗽
✅ 正しい。気道内に液体が存在するため、咳嗽時に湿った音が生じます。乾性咳嗽と異なり、気道が分泌物で満たされていることを示唆します。
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【試験対策ポイント】
誤嚥の兆候と鑑別:
| 誤嚥の兆候 | 該当 | 理由 |
|---|---|---|
| むせ・咳嗽 | ○ | 気道防御反射 |
| 喀痰増加・湿性咳嗽 | ○ | 気道内異物の刺激 |
| 発熱 | ○ | 気道炎症・肺炎 |
| 嚥下痛 | ✗ | 炎症性疾患の症状(誤嚥と無関係) |
重要な否定知識:
- 嚥下痛 = 口腔咽頭の炎症所見(咽頭炎、舌炎など)
- 誤嚥の有無とは別概念
- むしろ嚥下痛があると患者が嚥下制限するため誤嚥頻度は低下