STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第187問

吃音第19回
吃音が進展してく過程でみられないのはどれか。
  1. 1.吃ることを常に気にする。
  2. 2.他の語で代用する。
  3. 3.緊張性が出現する。
  4. 4.随伴症状が出現する。
  5. 5.症状が阻止から引き伸ばしになる。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 症状が阻止から引き伸ばしになる 吃音の進展過程では、阻止(ブロック)と引き伸ばし(延長)は同時に出現し、段階的な進展というより「混在」する。選択肢のように「阻止から引き伸ばしへ」という一方向的な進展は見られない。むしろ、吃音者は両者を状況や発話内容に応じて使い分ける傾向がある。 --- 【各選択肢の解説】 1. 吃ることを常に気にする。 ✅ 正しい。吃音の進展の初期段階では気にしていないが、進展とともに「吃音への恐れ」「評価懸念」が強まり、常に吃音を意識するようになる。これは副症状の発生や回避行動増加につながる。 2. 他の語で代用する。 ✅ 正しい。進展に伴い、吃りやすい言葉を避けて別の語に置き換える「語彙回避」が見られる。これは初期段階ではないが、中程度以上の吃音では顕著な特徴。 3. 緊張性が出現する。 ✅ 正しい。吃音が進展するにつれて、発話時の身体緊張(特に顔面・頸部・肩)が増加する。これは吃音抑制の無意識的な試みが失敗することで生じる。 4. 随伴症状が出現する。 ✅ 正しい。進展に伴い、瞬き・頭部振動・手の動き・呼気調整など、吃音の回避・軽減を意図した随伴症状が顕著になる。 5. 症状が阻止から引き伸ばしになる。 ❌ 誤り。吃音の症状タイプ(音声反復・引き伸ばし・ブロック)は進展に伴って変化するが、「阻止から引き伸ばしへ」という一方向的な進展は見られない。両者は吃音者の個人差や状況に応じて混在して出現する。Vangetal(1988)やOswald(2005)の吃音発達モデルでも、症状タイプの順序的進展は支持されていない。 --- 【試験対策ポイント】 吃音の進展過程(Bloodstein&Bernsteinの発達段階説) | 段階 | 発症年齢 | 主な特徴 | |---|---|---| | 第1段階 | 2~3歳頃 | 反復中心、気にしない、場面による変動あり | | 第2段階 | 3~4歳 | 吃音の意識化が始まる、「どもった」との認識 | | 第3段階 | 5~7歳 | 語彙回避・息継ぎ位置の工夫、他者評価への意識 | | 第4段階 | 8歳以上 | 強い回避、緊張性増加、随伴症状顕著 | 重要:段階の進展は「直線的」ではなく「個人差が大きい」 吃音進展に伴う出現する変化 - 症状側面:反復→引き伸ばし→ブロック(混在) - 心理側面:無自覚→意識化→恐れ→回避→社会回避 - 随伴症状:出現なし→初期的→より複雑化 - 緊張性:低い→増加→著しく増加 - 回避行動:なし→語彙回避→場面回避→社会生活制限 吃音症状タイプ(重要な否定知識) 症状タイプは進展に伴う「順序」がない。個人による差、発話内容、心理状態により混在出現。「反復→延長→ブロック」という一方向的進展は支持されていない。 キーワード 阻止(ブロック)、引き伸ばし
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