STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第192問

小児聴覚障害第19回
3歳の高度難聴の補聴器装用児。書記リテラシーの指導について適切でないのはどれか。
  1. 1.語彙を拡大する。
  2. 2.絵本を読み聞かせる。
  3. 3.指文字によって音韻表象を形成する。
  4. 4.聞き取りによる仮名学習を進める。 ✓
  5. 5.絵日記に文字を添えて指導する。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 聞き取りによる仮名学習を進める。 高度難聴児の書記リテラシー(読み書き能力)指導では、音韻情報に頼る学習方法は適切ではありません。高度難聴児は聞き取りが困難であるため、「音韻表象の形成」や「音韻を基盤とした学習」は現実的ではなく、むしろ視覚的・具体的なアプローチが効果的です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語彙を拡大する。 ✅ 正しい。書記リテラシーの基盤は語彙であり、絵本・手話・指文字など多様な方法で語彙を拡大することが重要です。 2. 絵本を読み聞かせる。 ✅ 正しい。視覚情報(絵)と手話・指文字での説明を組み合わせることで、意味理解と文字学習が相互に促進されます。 3. 指文字によって音韻表象を形成する。 ✅ 正しい。高度難聴児にとって指文字は視覚的に音韻を表現する重要な手段であり、音韻表象(文字と音の対応関係の内的表現)形成に有効です。 4. 聞き取りによる仮名学習を進める。 ❌ 誤り。高度難聴児は聞き取りが困難であるため、聞き取りに基盤を置いた学習方法は適切ではありません。音韻情報へのアクセスが限定される場合、視覚的方法(指文字・視話・文字そのもの)を優先すべきです。 5. 絵日記に文字を添えて指導する。 ✅ 正しい。具体的な経験(絵)と文字を直結させることで、意味と文字形態の対応関係を形成しやすくなります。実践的で効果的な指導方法です。 --- 【試験対策ポイント】 書記リテラシー指導の視点(高度難聴児の場合) | 方法 | 視覚依存度 | 有効性 | 理由 | |---|---|---|---| | 指文字学習 | 高 | ◎ | 音韻表象形成に有効 | | 絵本読み聞かせ | 高 | ◎ | 意味理解と文字結合 | | 視話(読話) | 高 | ◎ | 視覚的情報源 | | 聞き取り学習 | 低 | ✗ | 音へのアクセス困難 | | 具体物との結合 | 中 | ◎ | 意味の直結化 | キーワード - 高度難聴児:音韻情報への直接的アクセスが限定される - 代替手段:手話・指文字・視話による視覚的表現 - 文字学習の基盤:具体的経験(絵・物)との意味的結合 - 「聞き取り」「音韻」に頼る方法は適用困難
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