STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第195問

成人聴覚障害第19回
加齢による難聴について誤っているのはどれか。
  1. 1.非可逆性である。
  2. 2.めまいを合併する。 ✓
  3. 3.糖尿病の既往があると進行が早い。
  4. 4.高音漸傾型感音難聴を示す。
  5. 5.聴力レベルの閾値上昇に比べて、ことばの聞き取りが劣る。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — めまいを合併する。 加齢による難聴(老年性難聴)は、内耳の加齢性変化による感音難聴であり、めまいは典型的な合併症ではありません。めまいを伴う聴覚障害はメニエール病や前庭神経炎など、前庭系に病変がある場合に見られます。老年性難聴は蝸牛の加齢変化に限定されるため、前庭機能は通常保たれています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 非可逆性である。 ✅ 正しい。老年性難聴は内耳の不可逆的な加齢変化(有毛細胞の喪失、らせん靭帯の萎縮など)により生じるため、現在のところ回復治療は存在しません。 2. めまいを合併する。 ❌ 誤り。老年性難聴の本質は蝸牛の加齢変化であり、前庭系は通常影響を受けません。めまいはメニエール病など前庭系疾患の特徴です。この選択肢が誤りの理由です。 3. 糖尿病の既往があると進行が早い。 ✅ 正しい。糖尿病などの全身性疾患は内耳血流を悪化させ、老年性難聴の進行を加速させることが知られています。血管系の障害が聴力低下を促進します。 4. 高音漸傾型感音難聴を示す。 ✅ 正しい。老年性難聴の典型的なオージオグラムパターンは、高音から低音へ向かって段階的に悪化する「高音漸傾型」です。この形状は老年性難聴の診断的特徴です。 5. 聴力レベルの閾値上昇に比べて、ことばの聞き取りが劣る。 ✅ 正しい。老年性難聴では「言語明瞭度の低下」が特徴的であり、純音聴力閾値の低下の程度以上に、言葉の理解が悪くなります。これは蝸牛神経の加齢変化も関与するとされています。 --- 【試験対策ポイント】 老年性難聴 vs めまいを伴う聴覚障害の鑑別 | 疾患 | 難聴型 | めまい | 前庭症状 | 主病変 | |---|---|---|---|---| | 老年性難聴 | 高音漸傾型感音難聴 | なし | なし | 蝸牛(加齢) | | メニエール病 | 低音障害型 | あり(激しい) | あり | 内リンパ水腫 | | 前庭神経炎 | なし(正常)or軽度 | あり(激しい) | あり | 前庭神経 | | 突発性難聴 | 高音障害型or全周波 | あり(軽度) | あり(軽度) | 蝸牛+前庭 | 老年性難聴の特徴3点 ・非可逆性(有毛細胞喪失は永続的) ・高音漸傾型オージオグラム ・言語明瞭度の低下(閾値上昇以上に言葉が聞き取りにくい) 老年性難聴の進行因子 ・加齢そのもの(主因) ・糖尿病、高血圧(血管障害) ・騒音暴露歴 ・喫煙
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