第19回 言語聴覚士国家試験 第21問
聴覚系第19回
蝸牛中央階を満たす液のイオン組成で濃度が最も高いのはどれか。
- 1.Na+
- 2.Cu2+
- 3.Mg2+
- 4.K+ ✓
- 5.Ca2+
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — K+
蝸牛中央階(内リンパ腔)を満たす内リンパ液のイオン組成は、血液やリンパ液とは大きく異なります。内リンパ液は高K+・低Na+という特異的な組成を持ち、K+濃度が約140mEq/Lと極めて高く、最も高いイオン濃度を示します。この組成は毛細胞の電気受容に必要不可欠で、血管条が積極的に維持しています。
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【各選択肢の解説】
1. Na+
❌ 誤り。内リンパ液のNa+濃度は約16mEq/Lで、血液や脳脊髄液よりも極めて低い。これは内リンパ液の特徴的な低Na+組成である。
2. Cu2+
❌ 誤り。銅イオンは微量元素であり、内リンパ液に有意な濃度で存在しない。主要イオン成分としての役割もない。
3. Mg2+
❌ 誤り。Mg2+濃度は約0.05mEq/Lで、極めて低い。内リンパ液組成においては微量元素に過ぎない。
4. K+
✅ 正しい。内リンパ液のK+濃度は約140mEq/Lで、血液のK+濃度(約5mEq/L)と比較して極めて高く、最高濃度のイオンである。
5. Ca2+
❌ 誤り。Ca2+濃度は約0.02mEq/Lで、極めて低い。内リンパ液の主要イオン成分ではない。
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【試験対策ポイント】
内リンパ液 vs 血液・脳脊髄液のイオン組成比較
| イオン | 内リンパ液 | 血液 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| K+ | 約140mEq/L | 約5mEq/L | 内リンパで圧倒的に高い ※最高濃度 |
| Na+ | 約16mEq/L | 約145mEq/L | 内リンパで著しく低い |
| Cl- | 約107mEq/L | 約103mEq/L | ほぼ同等 |
| Ca2+ | 約0.02mEq/L | 約10mEq/L | 内リンパで極めて低い |
内リンパ液の役割・産生機構
• 産生部位:血管条(stria vascularis)
• 産生機序:主にNa-K-ATPaseによる能動輸送
• 機能:毛細胞(外毛細胞・内毛細胞)の電気受容に必須
• 内リンパ電位:+80~+120mV(他の液体は-70mV)
• この高K+・高電位が毛細胞基底側から頂端側への駆動力
頻出陷阱
• 「濃度が最も高い」=「絶対値」か「相対的」か確認
• 本問は「濃度が最も高い」=K+の絶対値が最高
• Cu2+・Mg2+は選択肢に含まれても役割がない(微量元素)
• Na+は「内リンパで低い」という知識で即判断可能
関連知識:メニエール病との連動
• 内リンパ水腫:内リンパ液が過剰に蓄積される状態
• この時も内リンパの高K+組成は変わらない
• 毛細胞への過度なK+負荷が症状を悪化させる可能性