第19回 言語聴覚士国家試験 第3問
臨床神経学第19回
膝蓋腱反射で誤っているのはどれか。
- 1.脊髄性単シナプス反射である。
- 2.γ(ガンマ)線維が筋伸張を伝える。 ✓
- 3.α(アルファ)運動神経が筋線維を収縮させる。
- 4.筋紡錘が関与する。
- 5.反射亢進は錐体路症状である。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — γ(ガンマ)線維が筋伸張を伝える
膝蓋腱反射は脊髄性単シナプス反射であり、筋紡錘からの求心性情報を伝えるのはIa線維(Aα線維の一種)です。γ線維は遠心性で、筋紡錘の筋小胞体(紡錘内筋)を支配し、感度を調節する役割を担っており、伸張情報の伝達主体ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 脊髄性単シナプス反射である。
✅ 正しい。膝蓋腱反射は、感覚受容器(筋紡錘)→脊髄内で大腿四頭筋の運動神経元へ直接シナプス結合→収縮というシンプルな単一シナプス反射です。
2. γ(ガンマ)線維が筋伸張を伝える。
❌ 誤り。筋伸張を伝えるのはIa線維(求心性)です。γ線維は遠心性(下行)で、筋紡錘内筋を支配して紡錘の感度を調節するだけで、伸張情報伝達の役割は持ちません。これは受験生が最も混同しやすい項目です。
3. α(アルファ)運動神経が筋線維を収縮させる。
✅ 正しい。α運動神経元(下位運動ニューロン)の軸索末端は骨格筋の筋線維と運動終板でシナプスを形成し、アセチルコリンを放出して筋収縮を引き起こします。膝蓋腱反射の遠心路を担うのはこのα運動神経です。
4. 筋紡錘が関与する。
✅ 正しい。膝蓋腱を叩くと大腿四頭筋が伸張され、その筋紡錘が伸張を感知します。筋紡錘内のIa線維末端(一次感覚終末)が脱分極し、脊髄へ求心性信号を送ります。
5. 反射亢進は錐体路症状である。
✅ 正しい。脳卒中などで皮質脊髄路が損傷されると、下位運動ニューロンへの抑制が解除され、膝蓋腱反射などの深部腱反射が亢進します。これは上位運動ニューロン障害(UMN兆候)の典型的な所見です。
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【試験対策ポイント】
神経回路における線維の役割分類
| 線維区分 | 方向 | 役割 | 膝蓋腱反射での関与 |
|---|---|---|---|
| Ia線維 | 求心性 | 筋伸張検知 | ◎(主要求心路) |
| Ib線維 | 求心性 | 腱張力検知 | ×(関与しない) |
| α運動神経 | 遠心性 | 骨格筋支配 | ◎(遠心路) |
| γ運動神経 | 遠心性 | 筋紡錘内筋支配 | ×(感度調節のみ) |
キーワード:単シナプス反射・Ia線維(γではない)・α運動神経・筋紡錘・上位運動ニューロン障害