第19回 言語聴覚士国家試験 第33問
生涯発達心理学第19回
社会性の発達について誤っている組み合せはどれか。
- 1.生後1か月 ― 情動伝染
- 2.生後3か月 ― 心の理論 ✓
- 3.生後9か月 ― 共同注意
- 4.生後12か月 ― 社会的参照
- 5.生後18か月 ― 自己の鏡像理解
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 生後3か月 — 心の理論
心の理論(他者の心的状態を推測する能力)の獲得は生後3か月では時期が早すぎます。心の理論は通常生後36~48か月(3~4歳)頃に発達する高次認知機能です。生後3か月は感覚運動期の段階であり、他者の欲望や信念を理解する認知レベルには達していません。
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【各選択肢の解説】
1. 生後1か月 — 情動伝染
✅ 正しい。新生児期から乳児は周囲の情動状態を直感的に感じ取り、同様の情動反応を示す情動伝染が見られます。泣いている赤ちゃんの泣き声で他の赤ちゃんも泣く現象などが典型例です。
2. 生後3か月 — 心の理論
❌ 誤り。心の理論の発達時期は「生後3か月」ではなく「生後36~48か月(3~4歳)」が正確です。生後3か月の乳児は社会的微笑が出現する時期ですが、他者の信念や欲望を明示的に推測する認知能力はまだ未発達です。
3. 生後9か月 — 共同注意
✅ 正しい。生後9か月頃から乳児は指差しや視線で他者と注意を共有する共同注意が芽生えます。この能力は言語発達の前駆現象として重要であり、ST臨床での発達評価でも9か月のマイルストーンとして認識されています。
4. 生後12か月 — 社会的参照
✅ 正しい。生後12か月頃から乳児は不確実な状況で他者(特に養育者)の表情・反応を参照して自分の行動を調整する社会的参照が見られます。階段の危険性を親の表情で判断する実験が有名です。
5. 生後18か月 — 自己の鏡像理解
✅ 正しい。生後18~24か月の乳幼児は鏡に映った自分の像を自分と認識するようになります(鏡テスト:額の赤いシールを見せると鏡の像ではなく自分の額に触れる)。自己認識の発達を示す重要なマイルストーンです。
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【試験対策ポイント】
社会性発達の発達段階(月齢)の整理
| 月齢 | 発達課題・社会性指標 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1か月 | 情動伝染 | 他者の情動に無意識的に共鳴 |
| 2~3か月 | 社会的微笑 | 人の顔への反応的微笑 |
| 9か月 | 共同注意・指差し | 他者と注意対象を共有 |
| 12か月 | 社会的参照 | 他者の情動情報で行動調整 |
| 18か月 | 自己鏡像理解 | 鏡像自己認識の成立 |
| 36~48か月 | **心の理論** | **他者の心的状態を推測** |
紛らわしい知識の区別
心の理論は「3歳前後」という強い関連性を持つため、「生後3か月」との組み合わせは露骨な時期ずれです。ST国試ではこの種の明白な発達段階の誤りが頻出であるため、各マイルストーンの正確な月齢を記憶することが重要です。