第19回 言語聴覚士国家試験 第59問
失語症第19回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.oral diadochokinesis ― 構音運動
- 2.RCPM ― 知的機能
- 3.TLPA ― 構文能力 ✓
- 4.ト-クンテスト ― 聴覚的理解力
- 5.CADL ― コミュニケーション能力
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — TLPA ― 構文能力
TLPA(Token Test)は「聴覚的理解力」を測定する検査であり、「構文能力」を測定する検査ではありません。TLPAは段階的に複雑になる指示文(例:「赤い大きい四角をさわってください」)に対する実行能力から、聴覚的理解の障害レベルを評価します。構文能力を測定する検査ではなく、聴覚理解の微細な障害を検出するスクリーニング検査です。
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【各選択肢の解説】
1. oral diadochokinesis ― 構音運動
✅ 正しい。Oral diadochokinesis(ODD)は反復交互運動検査で、「パパパ」「タタタ」などの子音を反復発話させ、構音器官の運動速度・正確性・調整能力を評価します。構音運動機能の検査として標準的です。
2. RCPM ― 知的機能
✅ 正しい。RCPM(Raven's Coloured Progressive Matrices)はレイブンの色彩マトリックス検査で、図形の規則性を認識する能力を測定し、言語に依存しない知的機能(特に視空間推論能力)の評価に用いられます。
3. TLPA ― 構文能力
❌ 誤り。TLPA(Token Test)は聴覚的理解力を測定する検査です。複数の単語で構成された複雑な指示文の理解を、実際の行動(トークンを操作)で評価しますが、これは聴覚理解の微細な障害検出が主目的であり、構文能力の専門的測定ではありません。構文能力は文法判断課題や文法的複雑性に基づく生成課題で測定されます。
4. トークンテスト ― 聴覚的理解力
✅ 正しい。トークンテスト(Token Test)はTLPAの日本語版であり、聴覚的理解力を段階的に複雑化する指示によって評価する標準的検査です。失語症患者の聴覚理解障害の程度を微細に測定できます。
5. CADL ― コミュニケーション能力
✅ 正しい。CADL(Communication Activities of Daily Living)は日常的コミュニケーション活動検査で、電話対応や買い物など実生活場面での自然なコミュニケーション能力を評価します。機能的コミュニケーション能力の測定に特化した検査です。
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【試験対策ポイント】
失語症検査の役割分担表:
| 検査名 | 測定対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| WAB / SLTA | 包括的失語症評価 | 流暢性・理解・復唱・命名を総合評価 |
| トークンテスト(TLPA) | 聴覚的理解力 | 指示の複雑度を段階的に上昇させ、微細な障害を検出 |
| CAT(絵画語彙検査) | 受容語彙 | 視覚呈示の選択肢から選ぶ |
| CADL | 機能的コミュニケーション | 実生活場面でのコミュニケーション能力 |
| 構文理解検査 | 構文能力 | 文の文法構造理解に特化(「誰が誰に~」など) |
| 反復交互運動検査(ODD) | 構音運動機能 | 音声産出の運動制御を評価 |
紛らわしいポイント:
- 「トークンテスト=聴覚的理解力」は頻出知識。指示実行で理解度を評価するため、認知機能(視空間認識)も若干関わるが、主は「聴覚理解」
- 「TLPA」と「トークンテスト」は同一検査を指す(日本語版)
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