第19回 言語聴覚士国家試験 第61問
高次脳機能障害第19回
側性化が明らかでないのはどれか。
- 1.言語理解
- 2.遂行機能 ✓
- 3.相貌認知
- 4.地誌的見当識
- 5.視空間認知
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 遂行機能
遂行機能は前頭葉全体(両側)に広く分散する機能であり、特定の脳半球に明確に優位化していません。一方、他の選択肢はいずれも左半球優位(言語理解)または右半球優位(相貌認知、地誌的見当識、視空間認知)と側性化が明確に報告されています。
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【各選択肢の解説】
1. 言語理解
✅ 正しい。左半球優位で側性化が明確です。ブローカ野・ウェルニッケ野は左半球に位置し、言語理解機能も左半球優位です。
2. 遂行機能
❌ 誤り(正答)。遂行機能は前頭葉全体に広く分散しており、両側半球の協働によって成立するため、側性化が明確ではありません。計画立案・注意制御・抑制機能など複合的な機能が関与するため、どちらか一方の半球に限定されません。
3. 相貌認知
✅ 正しい。右側頭葉(特に紡錐状回)が優位です。相貌失認は右半球損傷で典型的に出現する症候です。側性化が明確に報告されています。
4. 地誌的見当識
✅ 正しい。右半球優位で側性化が明確です。地誌的見当識障害は右後頭頭頂葉損傷で特に出現しやすく、空間的配置情報の処理は右半球の役割が大きいです。
5. 視空間認知
✅ 正しい。右半球優位で側性化が明確です。視覚的空間関係の知覚と処理は右半球(特に後頭頂葉)に優位化しており、半側空間無視は右半球損傷で典型的に出現します。
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【試験対策ポイント】
高次脳機能と側性化(左右差)
| 機能 | 優位半球 | 根拠・代表症状 |
|---|---|---|
| 言語理解 | 左半球 | ブローカ野・ウェルニッケ野の位置 |
| 遂行機能 | **両側(非側性化)** | **前頭葉全体に分散、どちらか一方に限定されない** |
| 相貌認知 | 右半球 | 右側頭葉紡錐状回→相貌失認 |
| 地誌的見当識 | 右半球 | 右後頭頭頂葉→場所認識障害 |
| 視空間認知 | 右半球 | 右半球→半側空間無視・視空間障害 |
キーワード:「側性化が明確でない=両側機能=前頭葉」
→ 遂行機能は計画・注意・抑制など複合機能であり、両側前頭葉の統合的機能であるため、左右どちらか一方に限定できない。これが出題の本質。