第19回 言語聴覚士国家試験 第64問
高次脳機能障害第19回
左半側空間無視と合併する頻度が高いのはどれか。
a.構成障害
b.相貌失認
c.物体失認
d.観念性失行
e.拮抗性失行
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b(構成障害、相貌失認)
左半側空間無視は右頭頂後頭葉損傷に伴う空間認知障害です。同じく右半球の後部領域の損傷で生じる「構成障害」と「相貌失認」との合併頻度が高いのに対し、左前頭葉や運動領域の機能低下で生じる失行や観念性失行は、左半側空間無視とは独立した病態であるため合併頻度が低くなります。
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【各選択肢の解説】
a. 構成障害
❌ 選択肢として正答に含まれる(選択肢aは正しい)。視空間構成能力は右頭頂後頭葉が司り、左半側空間無視と同じ領域の損傷で高頻度に合併します。
b. 相貌失認
❌ 選択肢として正答に含まれる(選択肢bは正しい)。顔認識は右紡錐状回など右側頭葉下部に依存しており、広範な右半球損傷時に左半側空間無視と合併しやすくなります。
c. 物体失認
❌ 誤り。物体失認は左側頭葉(言語優位半球)の視覚皮質損傷で生じやすく、右頭頂後頭葉領域の空間認知障害とは異なる機序です。左半側空間無視との合併頻度は相対的に低いとされています。
d. 観念性失行
❌ 誤り。観念性失行は行為意図の障害で、左前頭葉や連合野、左頭頂葉の障害で生じます。左半側空間無視は右頭頂後頭葉の空間認知障害であり、責任病巣が異なるため合併頻度は低くなります。
e. 拮抗性失行
❌ 誤り。拮抗性失行は両側前頭葉の運動制御障害を反映する症状で、左半側空間無視(右頭頂後頭葉病変)とは病態メカニズムが異なります。合併頻度は低いとされています。
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【試験対策ポイント】
左半側空間無視の合併症状(右頭頂後頭葉損傷に伴うもの)
| 症状 | 責任病巣 | 左半側空間無視との合併頻度 |
|---|---|---|
| 構成障害 | 右頭頂後頭葉 | 高 |
| 相貌失認 | 右下側頭葉(紡錐状回) | 高 |
| 物体失認 | 左側頭葉視覚皮質 | 低 |
| 観念性失行 | 左前頭葉・頭頂葉 | 低 |
| 拮抗性失行 | 両側前頭葉 | 低 |
キーワード:「右半球病変」が共通する症状が合併しやすい
- 構成障害&相貌失認→空間認知・視覚認識系(右後方)
- 失行→運動実行系(左前頭葉中心)
- 物体失認→言語優位半球の視覚解釈(左側頭葉)
■ 合併頻度の本質
左半側空間無視は右頭頂後頭葉の広範な皮質損傷に伴うことが多く、その際に同じく右後方領域に依存する「構成能力」「顔認識」が障害されやすい。一方、左前頭葉や言語領域に依存する失行や物体失認は独立した病態として現れるため、合併頻度が相対的に低い。