第19回 言語聴覚士国家試験 第65問
脳性麻痺第19回
脳性麻痺で正しいのはどれか。
- 1.重度肢体不自由と重度知的障害とを重複することはない。
- 2.脳室周囲軟化症は痙性単麻痺の原因となる。
- 3.核黄疽によるものは痙性麻痺が多い。
- 4.原因として出生時の仮死による低酸素虚血性脳症がある。 ✓
- 5.てんかんを合併することは少ない。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 原因として出生時の仮死による低酸素虚血性脳症がある。
脳性麻痺の定義上、出生前・出生時・出生後早期(通常5歳までに診断される)の脳損傷が原因であり、出生時の仮死による低酸素虚血性脳症は脳性麻痺の重要な原因の一つです。この文は脳性麻痺の成立要因として医学的に正確です。
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【各選択肢の解説】
1. 重度肢体不自由と重度知的障害とを重複することはない。
❌ 誤り。脳性麻痺の患者の中には、重度の運動機能障害と重度の知的障害の両者を合併する者が多数存在します。むしろ脳損傷が広範囲・重度である場合、肉体的・精神的機能が両者とも著しく障害されることは珍しくありません。
2. 脳室周囲軟化症は痙性単麻痺の原因となる。
❌ 誤り。脳室周囲軟化症(periventricular leukomalacia;PVL)は主に早産児で起こり、脳室周囲の白質に多巣性損傷をもたらします。その結果、通常は両側性の痙性対麻痺(特に下肢)を生じることが多く、単麻痺の原因にはなりません。単麻痺を生じるのは通常、脳皮質や脳幹の限局的病変です。
3. 核黄疽によるものは痙性麻痺が多い。
❌ 誤り。核黄疽(bilirubin encephalopathy)による脳性麻痺では、不随意運動型(アテトーゼ型)麻痺が特徴的です。聴覚障害や歯牙エナメル質形成不全も伴いやすく、痙性麻痺は少数派です。
4. 原因として出生時の仮死による低酸素虚血性脳症がある。
✅ 正しい。低酸素虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy;HIE)は脳性麻痺の重要な原因の一つです。出生時の仮死(Apgarスコア低下)が直接的な誘因となり、脳の広範な損傷を引き起こします。
5. てんかんを合併することは少ない。
❌ 誤り。脳性麻痺患者のてんかん合併率は約30~50%と高く、特に痙性四肢麻痺や痙性単麻痺ではさらに高率です。むしろ脳性麻痺とてんかんの合併は臨床上、多く見られる現象です。
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【試験対策ポイント】
脳性麻痺の原因と分類
| 原因別分類 | 具体例 | 麻痺型 |
|---|---|---|
| 低酸素虚血性脳症 | 出生時仮死・臍帯巻絡 | 痙性四肢麻痺 |
| 脳室周囲軟化症(PVL) | 早産児・低出生体重児 | 痙性対麻痺(下肢優位) |
| 核黄疽 | 高ビリルビン血症 | 不随意運動型(アテトーゼ) |
| 脳梗塞・脳出血 | 新生児脳血管障害 | 限局性病変→単麻痺も可 |
| 先天性脳奇形 | 脳回形成異常など | 多様 |
脳性麻痺の臨床特徴(合併症)
- てんかん:30~50%の高合併率(特に痙性型)
- 知的障害:約40~50%
- 視覚障害:斜視(15~25%)、網膜病変
- 聴覚障害:核黄