STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第66問

言語発達障害学第19回
正しい組み合わせはどれか。 a.自閉症スペクトラム障害 ― 文法障害 b.発達性読み書き障害 ― 音韻認識障害 c.知的障害 ― 適応機能障害 d.特異的言語発達障害 ― 実行機能障害 e.注意欠陥╱多動性障害 ― 対人関係障害 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c 各発達障害と関連する主要な特性の対応を正確に理解する問題です。発達性読み書き障害(dyslexia)の本質は音韻認識障害にあり、知的障害の定義に適応機能障害は不可欠です。この2つが正しく対応しています。 --- 【各選択肢の解説】 a. 自閉症スペクトラム障害 — 文法障害 ❌ 誤り。自閉症スペクトラム障害の中核特性は「社会的コミュニケーションの持続的困難」と「限定的・反復的な行動パターン」です。文法能力が高いケース(hyperlexia=超識字性を示す自閉症児)も多く、文法障害は二次的・個人差が大きい特性です。むしろ語用論的困難(相手の意図理解、文脈使い分け)が特徴的です。 b. 発達性読み書き障害 — 音韻認識障害 ✅ 正しい。発達性読み書き障害(dyslexia)の神経生物学的基盤は音韻認識能力の発達的障害にあります。音韻認識(phonological awareness:音の操作能力)が低下すると、字音対応の習得が妨げられ、読み書き習得が遅滞します。これはDSM-5における「特異的学習障害・読字困難」の定義にも合致しています。 c. 知的障害 — 適応機能障害 ✅ 正しい。DSM-5(2013年版)の知的障害の診断基準は、認知能力の障害と同時に「適応機能の障害」を必須とします。IQ70以下でも適応機能が良好なら知的障害と診断されません。適応機能障害(概念領域・社会領域・実践領域での困難)は知的障害の定義不可欠要素です。 d. 特異的言語発達障害 — 実行機能障害 ❌ 誤り。特異的言語発達障害(Specific Language Impairment; SLI)の中核は文法形態素(過去形-ed、複数形-sなど)習得の遅延です。実行機能は前頭前皮質(特に背外側)に関わる高次認知機能で、SLIの必須特性ではありません。実行機能障害は注意欠陥/多動性障害(ADHD)や自閉症でより顕著です。 e. 注意欠陥/多動性障害 — 対人関係障害 ❌ 誤り。ADHDの診断基準(DSM-5)は「不注意」「多動性・衝動性」に焦点があり、対人関係障害は必須ではありません。ADHDでは二次的に対人トラブルが生じることはありますが、発達の本質的特性ではありません。対人関係障害は自閉症スペクトラム障害の中核です。 --- 【試験対策ポイント】 発達障害と特性の対応の正確性: | 障害名 | 中核特性(必須) | 二次的・個人差が大きい特性 | |---|---|---| | 自閉症スペクトラム障害 | 社会的コミュニケーション困難、限定的/反復的行動 | 文法能力、知能レベル(様々) | | 発達性読み書き障害 | 音韻認識障害→字音対応習得困難 | 動機づけ、二次的な自信喪失 | | 知的障害 | 認知能力障害+適応機能障害(両者必須) | 言語・運動発達の遅延度 | | 特異的言語発達障害 | 文法形態素習得遅延(文法障害) | 音声知覚、問題行動 | | ADHD | 不注意、多動性・衝動性 | 対人スキル、学習成
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