第19回 言語聴覚士国家試験 第68問
言語発達障害学第19回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.ウイリアムス症候群 ― 対人関係障害 ✓
- 2.ダウン症候群 ― 視覚障害
- 3.プラダー・ウィリー症候群 ― 摂食障害
- 4.先天性風疹症候群 ― 聴力障害
- 5.5pモノソミー(猫なき症候群) ― 言語障害
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — ウイリアムス症候群―対人関係障害
ウイリアムス症候群の最大の特徴は、むしろ「過度に社交的で親密な対人関係を求める傾向」であり、対人関係障害ではなく対人相互作用の異常亢進です。他の4疾患はいずれも記載された障害が主要な臨床特徴として正確です。
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【各選択肢の解説】
1. ウイリアムス症候群―対人関係障害
❌ 誤り。ウイリアムス症候群(7q11.23欠失)の特徴は、知的障害があるにもかかわらず「極度に社交的で、見知らぬ人にも容易に親密になろうとする」という対人相互作用の異常です。むしろ対人関係への強い親近感と多弁性が特徴であり、「対人関係障害」という記載は誤りです。自閉症スペクトラムとは対照的な特性です。
2. ダウン症候群―視覚障害
✅ 正しい。ダウン症候群(トリソミー21)は屈折異常(遠視・乱視)、斜視、白内障、視神経乳頭低形成など多くの眼症状を伴います。視覚障害は高頻度の合併症として知られています。
3. プラダー・ウィリー症候群―摂食障害
✅ 正しい。プラダー・ウィリー症候群(15q11-13父親性欠失)の主要症状の一つが、乳幼児期の「哺乳困難・摂食障害」です。その後思春期以降に過食傾向に転じることも知られています。
4. 先天性風疹症候群―聴力障害
✅ 正しい。先天性風疹症候群(CRS)の3大症状は先天性心疾患、眼障害(白内障)、聴力障害です。聴力障害は感音難聴として最も頻度の高い合併症です。
5. 5pモノソミー(猫なき症候群)―言語障害
✅ 正しい。5pモノソミー(5番染色体短腕欠失)は、特徴的な「猫のような高音の泣き声」で有名ですが、重度の知的障害、構音障害を含む言語障害も主要な臨床特徴です。
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【試験対策ポイント】
| 遺伝性疾患 | 主要な言語・発達障害 | 注意点 |
|---|---|---|
| ダウン症候群 | 知的障害、聴力障害、視覚障害、構音障害 | 相対的には言語理解>表出 |
| ウイリアムス症候群 | 知的障害、過度な対人親密性(障害ではなく異常亢進) | 音楽的な言語、多弁性 |
| プラダー・ウィリー症候群 | 乳幼児期の摂食障害→思春期以降過食 | 行動異常(食べ物への執着) |
| 先天性風疹症候群 | 聴力障害、眼障害(白内障)、心疾患 | 3大症状を確実に押さえる |
| 5pモノソミー | 言語障害、知的障害、特徴的泣き声 | 「猫なき症候群」の別名 |
| フラジャイルX症候群 | 知的障害、構音障害、注意欠陥 | 男児に重症 |
重要な否定知識:ウイリアムス症候群は「対人関係が形成できない(自閉症的)」のではなく「むしろ過度に親密さを求める」という正反対の特性を持つ点が紛らわしい。この対比は頻出の引っかけポイントです。