第19回 言語聴覚士国家試験 第71問
言語発達障害学第19回
知的障害と運動障害とがある子どもの評価について適切でないのはどれか。
- 1.言語理解面より言語表出面を重視する。 ✓
- 2.身ぶりと音声での表現の双方を評価する。
- 3.刺激に対し、確実で再現性のある反応を重視する。
- 4.視覚障害や聴覚障害の有無や程度を評価する。
- 5.家庭や集団での日常的なコミュニケーション行動を評価する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 言語理解面より言語表出面を重視する。
知的障害と運動障害がある子どもの評価では、むしろ「言語理解面を重視する」ことが重要です。運動障害により表出能力が大きく制限されている場合、理解面の方がより実際の言語能力を反映するため、理解と表出の乖離を正確に把握する必要があります。1番は評価の優先順位を誤っています。
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【各選択肢の解説】
1. 言語理解面より言語表出面を重視する。
❌ 誤り。知的障害と運動障害がある場合、運動制御の困難により表出が大きく制限されるため、言語理解面の方が実際の言語能力をより正確に反映します。理解面を重視して評価すべきです。
2. 身ぶりと音声での表現の双方を評価する。
✅ 正しい。運動障害がある場合、音声表現が困難でも身ぶりやジェスチャー、代替コミュニケーション手段を含めた双方の表現様式を評価することが重要です。
3. 刺激に対し、確実で再現性のある反応を重視する。
✅ 正しい。知的障害と運動障害がある子どもは、一時的な反応より、確実で再現可能な反応を評価することで、真の能力と行動ばらつきを区別できます。
4. 視覚障害や聴覚障害の有無や程度を評価する。
✅ 正しい。複合障害児では、併存する感覚障害が言語発達に大きく影響するため、視覚・聴覚機能の詳細な評価は不可欠です。
5. 家庭や集団での日常的なコミュニケーション行動を評価する。
✅ 正しい。検査場面だけでなく、実際の生活場面でのコミュニケーション行動を評価することで、機能的な言語能力をより正確に把握できます。
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【試験対策ポイント】
複合障害児の評価原則
| 重要な視点 | 理由 | 具体例 |
|---|---|---|
| 理解>表出を重視 | 運動制限で表出が障害される可能性 | 脳性麻痺児が理解は5歳水準だが話せない |
| 表現様式の複数化 | 音声だけでは能力評価不可 | AAC・身ぶり・視線・笑顔も評価 |
| 再現性のある反応 | 一時的反応と能力の区別 | 3回以上確認できた反応を記録 |
| 併存障害の精査 | 言語障害の原因同定 | 聴覚・視覚・運動機能の詳細検査 |
| 生活場面の評価 | 検査場面だけでは不十分 | 園・学校・家庭でのコミュニケーション |
関連キーワード:障害間相互作用、非言語的表現、機能的評価、包括的アセスメント