第19回 言語聴覚士国家試験 第74問
脳性麻痺第19回
小学校1年生の脳性麻痺児の言語学習の訓練目標を考える際に重要度が低いのはどれか。
- 1.運動障害のタイプと重症度
- 2.知的障害の程度
- 3.言語障害の程度
- 4.嚥下障害の有無 ✓
- 5.AACの使用の可能性
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 嚥下障害の有無
脳性麻痺児の言語学習訓練目標設定において、嚥下障害の有無は言語学習そのものへの直接的な影響が限定的です。嚥下障害は栄養管理・食事形態の決定には重要ですが、言語能力の発達やコミュニケーション訓練目標の設定には、認知機能・運動能力・既存の言語障害が優先されるため、相対的に重要度が低いとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 運動障害のタイプと重症度
✅ 正しい。脳性麻痺の運動障害タイプ(痙性・弛緩性・失調性など)と重症度は、構音障害の型(痙性構音障害、弛緩性構音障害など)を決定し、訓練内容・代償手段の選択に直結します。GMFCS分類(移動能力)も言語学習の環境設定に影響します。
2. 知的障害の程度
✅ 正しい。知的障害の程度は言語理解能力・学習速度・認知基盤となる思考能力に直結し、訓練目標の水準設定(実用会話レベル、基礎語彙習得など)を決定する最重要因子です。言語発達は認知発達に規定されます。
3. 言語障害の程度
✅ 正しい。構音障害の程度・語彙数・文法理解度など、言語学習の出発点となる現在の言語能力を把握することは、適切な目標設定に不可欠です。これなくして訓練方針は立ちません。
4. 嚥下障害の有無
❌ 相対的に重要度が低い。嚥下障害は栄養・誤嚥性肺炎の予防という医学的管理上は重要ですが、言語学習(発話能力・言語理解・コミュニケーション能力)の発達目標設定には直接的な影響が限定的です。構音器官の運動能力は影響しますが、むしろ1番に含まれます。
5. AACの使用の可能性
✅ 正しい。運動障害が重度で話言葉が困難な場合、AAC(拡大・代替コミュニケーション)の導入・選択は言語学習の目標設定(音声言語か記号・文字か)に直接関係し、訓練戦略を大きく変えます。
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【試験対策ポイント】
脳性麻痺児の言語訓練目標設定における優先順位:
| 評価項目 | 訓練目標への影響 | 理由 |
|---|---|---|
| 運動障害タイプ・重症度(GMFCS)| 最高 | 構音障害の型決定+環境設定 |
| 知的障害の程度 | 最高 | 認知基盤=言語発達の上限決定 |
| 言語障害の程度 | 最高 | 現在の能力が出発点 |
| AAC導入の必要性 | 高 | 目標設定(音声か記号か)を変える |
| 嚥下障害の有無 | 中~低 | 栄養管理は重要だが言語学習とは独立 |
重要な区別:
- 嚥下と発話は相同の器官(咽喉頭)を使用するが、言語学習に直結する関連性は限定的
- 嚥下障害→食事形態・栄養管理の決定(医学管理)
- 言語学習目標→認知能力・構音運動能力・コミュニケーション動機が主要因