STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第76問

音声障害第19回
評価・検査に際してマイクロホンを必要とするのはどれか。
  1. 1.GRBAS評価
  2. 2.声 域
  3. 3.VOT ✓
  4. 4.発声時平均呼気流率
  5. 5.最長発声持続時間

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — VOT VOT(Voice Onset Time:音声開始時間)は、無声子音の放出から有声成分(声帯振動)が開始されるまでの時間を計測する検査であり、その測定には音響分析が不可欠です。そのため高感度マイクロホンを用いた音響分析装置が必須となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. GRBAS評価 ❌ 誤り。GRBAS評価は聴覚印象評価(perceptual evaluation)であり、検査者の耳による主観的判定です。音声を聞いて粗糙性・気息性・嗄声・息切れ感・軟弱性を5段階評価するもので、マイクロホンを必須とはしません。 2. 声域 ❌ 誤り。声域検査は、被検者が発することのできる最高音と最低音の周波数範囲を調べるもので、基本的には被検者の発声を検者が直接聴取して判定します。マイクロホン必須ではありません。 3. VOT ✅ 正しい。VOTは破裂音(/p/、/t/、/k/等)の放出時期を音響的に分析し、ミリ秒単位で計測する検査です。正確な時間軸分析には、マイクロホンで拾った音声を音声分析ソフトで波形化し、周波数スペクトログラム上で測定することが必須です。 4. 発声時平均呼気流率 ❌ 誤り。発声時平均呼気流率は、フォナトグラフやプレティスモグラフといった呼気流量計によって測定されます。喉頭下圧、声門下圧などを計測する器具であり、マイクロホンではなく気流測定装置を用いるため、マイクロホンは必須ではありません。 5. 最長発声持続時間(MPT) ❌ 誤り。最長発声持続時間は、「あ」音を最長どのくらい発声し続けられるかをストップウォッチで計測する検査です。検者が聴覚で発声の開始と終了を判断して時間計測するため、マイクロホンを必須としません。 --- 【試験対策ポイント】 | 検査項目 | 必要な機器 | 評価方法 | |---|---|---| | GRBAS | 聴覚(スピーカー) | 聴覚印象評価 | | 声域 | 聴覚 | 周波数範囲を耳で判断 | | **VOT** | **マイクロホン+音響分析装置** | **周波数スペクトログラム上での時間計測** | | 呼気流率 | 気流測定装置 | 呼気流量の直接測定 | | MPT | ストップウォッチ | 聴覚で開始・終了判定 | 頻出カテゴリー:「どの検査に何が必要か」 - マイクロホン=音響分析が必要な検査(VOT・基本周波数・jitter・shimmer) - 呼気測定装置=気流関連検査(呼気流率・喉頭下圧) - 聴覚判定=GRBAS・MPT・声域
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