STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第8問

脳性麻痺第19回
我が国の脳性麻痺の定義について正しいのはどれか。
  1. 1.5歳までに発症する。
  2. 2.姿勢の異常は含まれない。
  3. 3.一過性の運動障害が含まれる。
  4. 4.進行性脳疾患が含まれる。
  5. 5.脳病変の発生時期は胎生期から生後4週以内である。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 脳病変の発生時期は胎生期から生後4週以内である。 日本の脳性麻痺の定義は、世界保健機関(WHO)や国際的な基準に準じており、「受胎時から生後4週以内(=生後1ヶ月未満)の間に脳病変が発生し、その結果として永続的な運動障害と姿勢異常を示す疾患」とされています。この定義における「発症時期」と「脳病変の発生時期」の区別が重要です。脳病変の発生時期は厳密に限定されていますが、症状の臨床的出現(発症)はより遅い時期に認識されることがあります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 5歳までに発症する。 ❌ 誤り。脳病変の発生時期が胎生期から生後4週以内に限定されていることが定義の要です。発症(症状の臨床的認識)は5歳以降に診断されることもありますが、脳病変はこの時期よりずっと早期に生じている必要があります。 2. 姿勢の異常は含まれない。 ❌ 誤り。むしろ脳性麻痺の定義には「姿勢異常」が明示的に含まれます。脳性麻痺の臨床症状は運動障害と姿勢異常の両者です。 3. 一過性の運動障害が含まれる。 ❌ 誤り。脳性麻痺の定義では「永続的な」運動障害を要件としています。一過性(一時的)の運動障害は脳性麻痺には分類されません。 4. 進行性脳疾患が含まれる。 ❌ 誤り。脳性麻痺は「非進行性」のカテゴリーです。進行性脳疾患(例:進行性脳脊髄変性疾患)は脳性麻痺に含まれません。これが脳性麻痺と他の神経疾患を区別する重要な特徴です。 5. 脳病変の発生時期は胎生期から生後4週以内である。 ✅ 正しい。これが我が国の脳性麻痺定義における必須要件です。この時期に脳障害が発生した結果として、永続的な運動障害と姿勢異常が生じます。 --- 【試験対策ポイント】 脳性麻痺の定義の要件: | 項目 | 内容 | |---|---| | 脳病変発生時期 | 胎生期~生後4週以内 | | 臨床症状の発症 | 脳病変発生時期とは異なり、より遅い時期に認識されることもある | | 病態の性質 | 非進行性 | | 含まれる症状 | 運動障害+姿勢異常(両方必須) | | 運動障害の性質 | 永続的(一過性は除外) | | 分類タイプ | 痙性・弛緩性・失調性・不随意運動型・混合型 | 紛らわしい誤りのポイント: - 選択肢1と5の区別:「発症時期」と「脳病変発生時期」は同じではない - 選択肢4:進行性疾患(ミトコンドリア脳筋症など)との鑑別が臨床で重要 - 選択肢2:姿勢異常が含まれることは脳性麻痺の本質的特徴
関連

▶ 第19回 全問一覧

▶ 脳性麻痺 の過去問一覧