STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第84問

運動障害性構音障害第19回
開鼻声を主症状とする運動障害性構音障害に用いられるのはどれか。
  1. 1.鼻咽腔瘻閉鎖床
  2. 2.エピテ-ゼ
  3. 3.舌接触補助装置
  4. 4.軟口蓋挙上装置 ✓
  5. 5.チンキャップ

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 軟口蓋挙上装置 開鼻声は軟口蓋が挙上できずに鼻腔へ空気が漏れる症状です。軟口蓋挙上装置(パラタルリフト)は軟口蓋を機械的に持ち上げて鼻咽腔を閉鎖し、開鼻声を改善します。弛緩性構音障害による球麻痺や、パーキンソン病などの運動低下性構音障害で用いられます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 鼻咽腔瘻閉鎖床 ❌ 誤り。これは口蓋裂手術後の残存瘻孔を閉鎖する装置です。開鼻声の原因は瘻孔ではなく、軟口蓋の運動障害(挙上不全)なため、この装置では対応できません。 2. エピテーゼ ❌ 誤り。エピテーゼは顔面の欠損部を補う補綴物です。開鼻声の改善には直接的な役割を果たしません。嚥下や構音の障害補正ではなく、美容目的です。 3. 舌接触補助装置 ❌ 誤り。舌接触補助装置(タングリップ)は舌の接触位置を改善し、構音の明瞭性向上に用いられます。開鼻声は鼻咽腔閉鎖の問題であり、舌の位置補正では改善しません。 4. 軟口蓋挙上装置 ✅ 正しい。軟口蓋挙上装置(パラタルリフト)は、発話時に軟口蓋を機械的に持ち上げて鼻咽腔を閉鎖し、空気の鼻腔漏出を防ぎます。弛緩性構音障害の開鼻声に最適です。 5. チンキャップ ❌ 誤り。チンキャップは下顎を支持する補助装置で、開口や咀嚼を補助します。開鼻声の改善には無関係です。 --- 【試験対策ポイント】 構音障害の補綴装置と適応 | 装置名 | 主な適応症 | 主な効果 | |---|---|---| | 軟口蓋挙上装置(パラタルリフト) | 開鼻声(弛緩性・運動低下性) | 鼻咽腔閉鎖により空気の鼻漏出を防止 | | 舌接触補助装置(タングリップ) | 舌運動障害 | 舌の接触位置・圧を改善し明瞭性向上 | | 口腔内装置(インレー・被覆床) | 歯列不正・咬合異常 | 発声空間と舌運動の最適化 | | チンキャップ | 下顎脱力・開口困難 | 下顎支持により開閉口を補助 | | 鼻咽腔瘻閉鎖床 | 口蓋裂術後残存瘻孔 | 瘻孔を物理的に閉鎖 | 開鼻声の本態:鼻咽腔括約筋の機能不全→軟口蓋の不十分な挙上→鼻腔への空気漏出
関連

▶ 第19回 全問一覧

▶ 運動障害性構音障害 の過去問一覧