第19回 言語聴覚士国家試験 第86問
嚥下障害第19回
食塊の咽頭残留除去に用いないのはどれか。
- 1.努力嚥下
- 2.頸部回旋
- 3.複数回嚥下
- 4.息こらえ嚥下法 ✓
- 5.前舌保持嚥下訓練
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 息こらえ嚥下法
息こらえ嚥下法は声帯を内転させ誤嚥防止に有効ですが、咽頭残留の除去には直接的な効果がありません。咽頭残留除去には物理的な咽頭クリアランスを促進する方法(努力嚥下・頸部回旋・複数回嚥下・前舌保持嚥下訓練)が有効です。
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【各選択肢の解説】
1. 努力嚥下
✅ 正しい。咽頭患部の筋収縮を強化し、咽頭残留物を食道へ押し出す効果があります。特に咽頭期の筋力低下患者に有効です。
2. 頸部回旋
✅ 正しい。患側に頸部を回旋させることで、患側の梨状陥凹を狭窄させ、残留物を健側へ偏向・排出させます。一側性咽頭麻痺患者に特に有効です。
3. 複数回嚥下
✅ 正しい。嚥下を繰り返すことで、残留物を段階的に食道へクリアランスする方法です。咽頭の纖毛運動や残留物の自然クリアランスも期待できます。
4. 息こらえ嚥下法
❌ 誤り。この方法は嚥下時に声帯を閉鎖させ、誤嚥防止が主たる目的です。咽頭残留の除去メカニズムには関与しないため、この問いに該当します。
5. 前舌保持嚥下訓練
✅ 正しい。舌の前方への送り込み圧を強化し、咽頭への食塊送出を促進します。咽頭期への入力を改善し、残留を軽減させます。
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【試験対策ポイント】
嚥下訓練法の分類(機能改善的 vs. 代償的)
| 訓練法 | 分類 | 対象障害 | 主な効果 |
|---|---|---|---|
| 努力嚥下 | 機能改善 | 咽頭期弱化 | 咽頭クリアランス↑ |
| 頸部回旋 | 代償的 | 一側麻痺 | 残留物排出 |
| 複数回嚥下 | 代償的 | 全般的残留 | 段階的クリアランス |
| 前舌保持 | 機能改善 | 舌圧低下 | 咽頭への送出改善 |
| 息こらえ嚥下法 | 機能改善 | 誤嚥リスク | 声帯閉鎖→誤嚥防止 |
重要:息こらえ嚥下法は誤嚥予防が目的であり、咽頭残留を除去する機序ではない。嚥下相別の効果を混同しないこと。