STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第87問

嚥下障害第19回
誤嚥防止手術として行われるのはどれか。 a.喉頭挙上術 b.喉頭閉鎖術 c.喉頭全摘出術 d.咽頭弁形成術 e.輪状咽頭筋切断術 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c 誤嚥防止手術として確実に有効なのは「喉頭の機能を失わせる」または「喉頭を完全に除去する」手術です。喉頭閉鎖術(声帯を永続的に閉じる)と喉頭全摘出術(喉頭そのものを取り除く)は、どちらも嚥下時に気管へのアクセスをなくすため誤嚥を完全に防止します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 喉頭挙上術 ❌ 誤り。喉頭挙上術は「嚥下時の喉頭挙上を補助する」目的であり、誤嚥防止そのものを目的としていません。むしろ咽頭期の運動障害や喉頭挙上不全に対する改善手術です。 b. 喉頭閉鎖術 ✅ 正しい。声帯を永続的に閉じ、気管への通路をふさぎます。誤嚥を完全に防止できます。音声喪失が欠点ですが、生命の危険性が高い場合に選択されます。 c. 喉頭全摘出術 ✅ 正しい。喉頭そのものを外科的に摘出するため、気管と食道の通路が完全に分離されます。誤嚥は物理的に不可能になります。通常は喉頭がん等の悪性腫瘍に伴う手術ですが、誤嚥防止効果は確実です。 d. 咽頭弁形成術 ❌ 誤り。咽頭弁形成術は「咽頭圧の不足」を補うための手術で、嚥下機能の改善を目指すものです。誤嚥防止手術ではありません。 e. 輪状咽頭筋切断術 ❌ 誤り。輪状咽頭筋切断術は「食道入口部での通過障害」(特にアカラシア様症状)を改善する手術で、誤嚥防止とは無関係です。むしろ咽頭相から食道相への移行を促進させる手術です。 --- 【試験対策ポイント】 誤嚥防止手術の分類: | 手術名 | 原理 | 用途 | |---|---|---| | 喉頭挙上術 | 嚥下補助 | 喉頭挙上不全 | | 喉頭閉鎖術 | 声道遮断 | 重症誤嚥防止 | | 喉頭全摘出術 | 喉頭除去 | 誤嚥完全防止 | | 咽頭弁形成術 | 咽頭圧補助 | 咽頭圧不足 | | 輪状咽頭筋切断術 | 食道入口開放 | 食道入口障害 | キーワード: - 「誤嚥防止」=気管へのアクセス遮断が必須 - 喉頭閉鎖術・喉頭全摘出術=唯一の確実な防止法 - 喉頭挙上術・咽頭弁形成術=嚥下「改善」手術(異なる目的)
関連

▶ 第19回 全問一覧

▶ 嚥下障害 の過去問一覧