第19回 言語聴覚士国家試験 第88問
吃音第19回
成人の吃音の評価として確認する必要性が低いのはどれか。
- 1.話声位 ✓
- 2.現在の吃音症状
- 3.吃音を生じやすい場面
- 4.吃音についての知識
- 5.コミュニケーションに対する態度
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 話声位
成人吃音の評価では、心理社会的側面(吃音への態度・知識)、症状の具体的特徴(症状内容・場面依存性)、コミュニケーション機能への影響を重点的に確認する必要があります。一方、話声位(音声の高さ)は、吃音症状そのものの本質や患者の問題認識と直接的な関連が低いため、評価の必須項目ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 話声位
❌ 確認の必要性が低い。話声位は音声治療における基本的な評価項目ですが、吃音の評価では直接的な関連性が薄く、成人吃音患者の主訴や治療目標の設定に寄与しません。小児の吃音評価でも優先度は低いです。
2. 現在の吃音症状
✅ 確認の必要性が高い。反復・延長・無音区間などの吃音症状の具体的な形態、頻度、重症度を把握することは、治療方針の決定に不可欠です。症状の詳細な記述は治療効果測定の基準にもなります。
3. 吃音を生じやすい場面
✅ 確認の必要性が高い。成人吃音は状況依存的であり、対人場面(電話・プレゼンテーション・初対面者との会話)での悪化パターンを把握することで、個別化された治療計画が立案できます。回避行動の同定にも重要です。
4. 吃音についての知識
✅ 確認の必要性が高い。患者の吃音メカニズムへの理解度(誤った通念の有無)は、治療への動機づけと認知的な柔軟性に影響します。不正確な知識(例:「緊張するから吃る」という単純な因果関係の信念)の修正が治療の出発点になります。
5. コミュニケーションに対する態度
✅ 確認の必要性が高い。吃音によるコミュニケーション回避、社会的引きこもり、自己効力感の低下などの心理社会的側面は、成人吃音患者の QOL に大きく影響します。態度・信念の評価は認知行動療法的アプローチの根拠となります。
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【試験対策ポイント】
成人吃音評価の優先順位:
| 評価項目 | 臨床的重要度 | 理由 |
|---|---|---|
| 現在の吃音症状(形態・頻度) | 最高 | 重症度測定・治療効果判定の基準 |
| 吃音の場面依存性 | 最高 | 心理社会的ストレッサーの同定 |
| 吃音についての知識 | 高 | 誤った通念の修正→治療動機づけ |
| コミュニケーション態度 | 高 | QOL・心理的問題の把握 |
| 話声位 | 低 | 吃音症状とは独立した音声特性 |
成人吃音患者の評価では「症状」と「心理社会的背景」の両面が必須。話声位は音声障害(嗄声など)がある場合を除き、個別に評価する必要性は低い。小児吃音と異なり、成人は「なぜ吃るのか」という認知的理解と「吃音とどう付き合うか」という態度変容が治療的に中核となるため。