STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第89問

聴覚系第19回
難聴の原因とよく見られる病態とで誤っている組み合わせはどれか。
  1. 1.GJB2遺伝子変異 ― 多発奇形 ✓
  2. 2.先天性風疹症候群 ― 白内障
  3. 3.トリチャー・コリンズ症候群 ― 伝音難聴
  4. 4.ペンドレッド症候群 ― 前庭水管拡大
  5. 5.髄膜炎 ― 蝸牛骨化

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — GJB2遺伝子変異 ― 多発奇形 GJB2遺伝子変異は、非症候群性感音難聴(特に常染色体劣性形式の難聴)の最頻原因であり、聴覚異常に限定されます。多発奇形を伴いません。一方、他の4つはすべて難聴とともに特徴的な全身症状や合併症を伴う症候群性難聴です。 --- 【各選択肢の解説】 1. GJB2遺伝子変異 ― 多発奇形 ❌ 誤り。GJB2遺伝子変異は非症候群性感音難聴(DFNB1など)の最頻原因で、聴覚異常単独の障害です。多発奇形を伴いません。「GJB2=多発奇形」は誤解しやすい落とし穴です。 2. 先天性風疹症候群 ― 白内障 ✅ 正しい。先天性風疹症候群の3主症状は「心奇形・難聴・眼異常」で、白内障は典型的な眼症状です。感音難聴は高頻度で、早期診断の対象です。 3. トリチャー・コリンズ症候群 ― 伝音難聴 ✅ 正しい。第1・第2鰓弓由来の構造異常により、耳介・中耳骨・下顎の形成不全が起こります。そのため伝音難聴が見られます。症候群性聴覚障害の典型例です。 4. ペンドレッド症候群 ― 前庭水管拡大 ✅ 正しい。SLC26A4遺伝子変異による症候群で、前庭水管拡大症(LVAS)を伴う進行性感音難聴が特徴です。甲状腺腫も見られます。NHS通過後の進行性難聴の重要原因です。 5. 髄膜炎 ― 蝸牛骨化 ✅ 正しい。細菌性髄膜炎(特に肺炎球菌・髄膜炎菌)による蝸牛内膜炎では、線維化と続発性骨化が起こります。感音難聴と蝸牛骨化は髄膜炎後遺症の代表的病態です。 --- 【試験対策ポイント】 症候群性難聴(全身症状を伴う)vs非症候群性難聴(聴覚単独) | 遺伝子/原因 | 難聴型 | 随伴症状 | 難聴の特徴 | |---|---|---|---| | GJB2変異 | 感音難聴 | **なし**(非症候群性) | 先天性・両側性・安定的 | | 先天性風疹 | 感音難聴 | 白内障・心奇形 | 高頻難 | | トリチャー・コリンズ | 伝音難聴 | 顔面骨低形成・下顎低形成 | 常染色体優性 | | ペンドレッド | 感音難聴 | 甲状腺腫・前庭水管拡大 | 進行性・内耳奇形 | | 髄膜炎 | 感音難聴 | 蝸牛骨化 | 急性発症・後遺症 | キーワード:「GJB2は非症候群性」「多発奇形は伴わない」 感音難聴の多発奇形症候群:先天性風疹症候群、Usher症候群(網膜色素変性)、Refsum病(PN・眼症)、Pendred症候群(甲状腺腫)
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