STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第90問

聴力検査第19回
聴性定常反応検査について誤っているのはどれか。
  1. 1.新生児聴覚スクリーニングを用いる。 ✓
  2. 2.覚醒度や睡眠レベルの影響を受ける。
  3. 3.周波数特異性を持った応答が得られる。
  4. 4.誘発反応を繰り返した結果を用いる。
  5. 5.聴性脳幹反応検査と同様の電極を用いる。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 新生児聴覚スクリーニングを用いる。 聴性定常反応(ASSR)検査は、変調音を用いた他覚的聴覚検査であり、新生児聴覚スクリーニング(NHS)には用いられません。NHSで用いるのはOAE(耳音響放射)またはABR(聴性脳幹反応)です。ASSRは新生児には不適切であり、主に乳幼児以上の周波数別の聴力閾値推定に用いられます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 新生児聴覚スクリーニングを用いる。 ❌ 誤り。NHSで用いられるのはOAEとABRであり、ASSRではありません。ASSRは検査時間が長く、新生児への適用は不適切です。 2. 覚醒度や睡眠レベルの影響を受ける。 ✅ 正しい。ASSRは誘発反応であるため、被検者の状態(覚醒度)に影響されます。ABRと異なり、睡眠深度の変化で応答が消失することがあります。 3. 周波数特異性を持った応答が得られる。 ✅ 正しい。ASSRの最大の利点は、異なる周波数の変調音に対して周波数別の応答が得られることです。これにより、周波数別の聴力推定が可能です。 4. 誘発反応を繰り返した結果を用いる。 ✅ 正しい。ASSRは信号検出のために複数回の平均化処理を行い、その統計的有意性を判定します。ABRと同じく加算平均による信号検出法です。 5. 聴性脳幹反応検査と同様の電極を用いる。 ✅ 正しい。ASSRもABRも頭皮電極を用いて脳活動を記録するため、電極配置は基本的に同様です。頭頂部と乳突部が主要電極です。 --- 【試験対策ポイント】 聴力検査の適用範囲(新生児〜各年齢別) | 検査法 | 新生児 | 乳幼児 | 幼児〜 | 主な評価対象 | |---|---|---|---|---| | OAE | ◎ | ◎ | △ | 内耳機能(周波数別なし) | | ABR | ◎ | ◎ | ◎ | 脳幹機能(周波数別困難) | | ASSR | × | ◎ | ◎ | 周波数別聴力推定 | | DPOAE | ◎ | ◎ | △ | 内耳機能・周波数別 | | 遊戯聴力検査 | × | × | ◎ | 行動聴力(3歳以上) | ASSRの特徴(他覚検査の中で) - 利点:周波数特異性あり、周波数別聴力推定が可能、複数周波数の同時検査が可能 - 欠点:検査時間が長い、覚醒度に影響される、新生児には不適切 - 応答周波数:20〜100Hz(聴神経と中脳の応答) 新生児聴覚スクリーニング(NHS)の検査選択 NHS第1段階ではOAE(最も簡便・短時間)が主流。異常時の精査でABRを用いる。ASSRは精査段階でも新生児には不適切であり、乳幼児の周波数別聴力推定時に初めて活用される。
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