STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第92問

小児聴覚障害第19回
先天性難聴児の言語習得の過程として誤っているのはどれか。
  1. 1.終助詞は副助詞より先に学習される。
  2. 2.語連鎖期には逆接の文章理解が習得させる。 ✓
  3. 3.文章構成期には時制表現が多様化する。
  4. 4.接続助詞は接続詞より先に習得される。
  5. 5.複合動詞は多弁期・複文期に修得される。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 語連鎖期には逆接の文章理解が習得させる。 語連鎖期は一語文から二語文へ移行する時期であり、この段階では単語の組み合わせと基本的な文構造の獲得が中心です。逆接の文章理解(「しかし」「だが」など、対比・矛盾する内容を統合する複雑な論理関係)は、より高度な認知能力を要するため、文章構成期以降にようやく習得されるもので、語連鎖期には時期尚早です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 終助詞は副助詞より先に学習される。 ✅ 正しい。終助詞(「ね」「よ」「か」など、文末に位置して感情や要求を表現)は、副助詞(「も」「だけ」「ぐらい」など、内容語に直接付加する)より習得が早いとされています。 2. 語連鎖期には逆接の文章理解が習得させる。 ❌ 誤り。語連鎖期(1~2歳頃、二語文形成期)では、単純な動作語+目的語の組み合わせ程度の文構造が習得される段階です。逆接は複文に属し、文章構成期(3~4歳以降)で初めて習得される高度な論理関係です。 3. 文章構成期には時制表現が多様化する。 ✅ 正しい。文章構成期(3~4歳以降)では、過去・現在・未来など時制の使い分けが徐々に洗練され、「~た」「~ている」「~だろう」などの複雑な時制表現が増加します。 4. 接続助詞は接続詞より先に習得される。 ✅ 正しい。接続助詞(「て」「から」「のに」など、文節を接続する品詞)は接続詞(「そして」「だから」「しかし」など、文と文を接続する独立した品詞)より習得が早いとされています。 5. 複合動詞は多弁期・複文期に修得される。 ✅ 正しい。複合動詞(「~始める」「~終わる」「~直す」など、複数の動詞が結合した形)は、言語発達の中~後期(4~5歳以降の多弁期・複文期)で習得される高度な文法要素です。 --- 【試験対策ポイント】 先天性難聴児の言語習得段階と習得要素(発達順序) | 段階 | 年齢目安 | 主な習得要素 | 習得されていない要素 | |---|---|---|---| | 一語文期 | 1~1.5歳 | 語彙の初期獲得、終助詞 | 文構造、複雑な文法 | | 語連鎖期(二語文期) | 1.5~2.5歳 | 二語文、接続助詞、副助詞の初期 | 複文、時制表現、逆接 | | 文章構成期 | 2.5~4歳 | 単文の完成、時制の多様化、簡単な複文、逆接の理解 | 複合動詞、高度な複文 | | 多弁期・複文期 | 4~5歳以降 | 複合動詞、複雑な複文、高度な論理関係 | — | 重要な否定知識:「語連鎖期では逆接を含む複雑な論理関係は習得されない」 品詞の習得順序:終助詞>副助詞/接続助詞>接続詞
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