第19回 言語聴覚士国家試験 第93問
聴力検査第19回
語音聴力検査について誤っているのはどれか。
- 1.57-S語表は50個の単音節語音からなる。
- 2.マスキングにはバンドノイズを用いる。 ✓
- 3.純音聴力の測定値を確認するために語音了解閾値検査を行う。
- 4.数字語音表で語音了解閾値を測定する。
- 5.語音弁別検査の測定値は右耳も左耳も実線で結ぶ。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — マスキングにはバンドノイズを用いる。
語音聴力検査においてマスキングに用いるのはバンドノイズではなく「スピーチノイズ」です。バンドノイズは純音聴力検査で使用されます。語音検査では被検者が対耳の音声を知覚するのを防ぐため、スピーチノイズ(会話音声に類似した複合音)が標準的に用いられます。
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【各選択肢の解説】
1. 57-S語表は50個の単音節語音からなる。
✅ 正しい。57-S語表は日本の標準的な語音聴力検査用語表で、50個の単音節で構成されています。語音弁別検査や語音了解閾値測定の基本となる検査ツールです。
2. マスキングにはバンドノイズを用いる。
❌ 誤り。語音聴力検査のマスキングはスピーチノイズを用いるが正解です。バンドノイズは純音聴力検査(気導・骨導検査)で使用され、特定周波数帯域のノイズで対耳をマスキングします。
3. 純音聴力の測定値を確認するために語音了解閾値検査を行う。
✅ 正しい。語音了解閾値(Speech Reception Threshold:SRT)検査は、純音聴力検査の結果妥当性を検証するために実施されます。SRTは平均聴力レベル(500Hz・1kHz・2kHzの平均)と±6dB以内の範囲で一致することが期待されます。
4. 数字語音表で語音了解閾値を測定する。
✅ 正しい。語音了解閾値検査では数字語音表(67-S数字語表など)が標準的に使用されます。語音弁別検査には57-S語表が使用され、検査の目的に応じて異なる語表が選択されます。
5. 語音弁別検査の測定値は右耳も左耳も実線で結ぶ。
✅ 正しい。語音弁別検査(語音明瞭度検査)は、聴力レベルに関わらず両耳を同じ実線で記録します。これは気導・骨導や右耳・左耳を区別する純音聴力検査とは異なり、語音弁別能力の評価では左右差の視認よりも両耳の明瞭度パターン(平坦か傾斜か)の把握が重視されるためです。
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【試験対策ポイント】
語音聴力検査の基本構成
| 検査項目 | 使用語表 | 目的 | マスキング |
|---|---|---|---|
| 語音了解閾値(SRT) | 数字語音表 | 純音聴力の妥当性確認 | スピーチノイズ |
| 語音弁別検査 | 57-S語表(50語) | 内耳性難聴の検出 | スピーチノイズ |
| 語音明瞭度検査 | 57-S語表 | 補聴器適合判定 | スピーチノイズ |
マスキング音の使い分け(頻出誤り)
- 純音聴力検査:バンドノイズ(中心周波数±1オクターブ帯域)
- 語音聴力検査:スピーチノイズ(会話音声に類似)
記録方法の違い(紛らわしい)
- 純音聴力検査:右耳(実線○)・左耳(破線×)・骨導(△)で区別
- 語音弁別検査:右耳・左耳共に実線で記録(区別しない)
SRT(語音了解閾値)の判定基準
- 純音平均聴力レベル(3分法:500Hz・1kHz・2kHz平均)±6dB以内が一致目安
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